※金子トモヤの地球を歩いてみた/イタリア編(中編)の続きです
イタリアで最後に向かったのは、水の都ヴェネツィア
街中に大小様々な水路が張り巡らしてあり
漫画ワンピース「ウォーターセブン」のモデルとなった場所だ
ヴェネツィアへの車や自転車等車両の乗り入れは禁止され、移動手段は水上バスやタクシーそしてゴンドラ
日本にいたら絶対に体験できない景色にカルチャーショックを受けた
しかし
イタリア最終地点のヴェネツィアで、僕の身にある事件が降りかかる
僕は日中ヴェネツィアの街を散歩していた
すると魅力的な外観のギャラリーがあり導かれるように店内へ入った
そのギャラリーで素敵な絵を見つけ作品の購入を検討したが、その当時の僕には背伸びしたお値段だったので諦めた
僕はギャラリーを後にしようと思い振り返った瞬間
私の無駄に広い肩が気になっていた作品に当たり外れて落ちたのだ
作品本体は無事だったが、額縁の一部が欠けてしまった
僕は申し訳ない気持ちが溢れて、「この先旅の工程が変わったとしても、ここは背伸びをして壊した作品は購入して日本へ持ち帰ろう」と決心した
すると一部始終を見ていたギャラリーの女性が駆け寄ってきたので、その女性にこう伝えた「作品を壊してしまった。だから、購入させてほしい」と
すると彼女は「作品なら心配いらないわ。それより怪我はなかった?」と僕に言った
作品を壊してしまい心配で胸がいっぱいだった僕は、彼女の大きくて温かい「愛」に救われた
ただし、作品を壊したことはどうしても償いたかったので「作品は買いたい」と伝えたら彼女は、「少し額が壊れてるから半額でいいわよ」と言って譲ってくれたのだ
今でもその絵は実家に飾ってある
帰省の度その絵を見ると、ギャラリーで出会った女性の優しい表情と、美しいヴェネツィアの景色が目に浮かぶ
街が人をつくっているのではなく、人が街をつくっていることを肌で感じた。
金子 トモヤ
金子 トモヤの写メ日記
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【再投稿】第5話 後編:イタリア/ 壊れたアート、そして愛金子 トモヤ