漢字を読むのは比較的簡単だが、読めるからといって書けるわけではない
英語も同様にリスニングで内容は理解できても、自分の想いを伝えるのは難しい
実は私たちの母国語である日本語も、他人の言葉を理解することは簡単でも、自分で言葉を組み立てて相手に伝えるのは意外と難しいもの
多くの人は日本語ができるつもりでいるが、実際には聞き取ることしかできておらず「自分の気持ちを言葉で伝える」という点で不自由を感じている人が多くいる
自分の内なる感情をうまく他人に伝えられなければ、インプットばかりでアウトプットが滞ってしまう
他人の気持ちは分かるのに、自分の気持ちを分かってくれる人がいないという一種の孤独感を覚えてしまう
「言葉で表現することが苦手」という自覚症状がある人はまだ救いがあるが、ほとんどの場合は無自覚です
「相手が何を言っているのか分かる」というだけで「私は日本語が分かる」と思い込んでしまっていることが多く、これは「読める」というだけで「書ける」と思い込んでいるようなもの
言葉はインプットよりもアウトプットの方がはるかに難しい
人よりも悩みやすい人やメンタルが弱い人ほど、この「アウトプット不全」に陥る傾向が高い
キャパを超えるほど思い詰めているのに、それをうまく言語化できなくて吐き出すことができず、やむを得ず一人で抱え込んでしまう
言語能力を鍛えるために「本を読め」と言う人が多いが、本当は本を読むだけでは足りなかったりする
アウトプット能力を身につけるには「読む」だけでなく「書く」という作業が必要になる
「読んで書く」という読書感想文方式だが、読書感想文というとアレルギー反応を起こす人が多くいるのも事実
なぜかといえば、つまらない本を読まされていたから
これは宿題でもなんでもないので、感想文の題材は文学や哲学である必要はなく、好きな漫画やドラマ・映画、飲み屋、推しに入った感想や口コミでもいい、自分の好きなものが題材なら、軽く一万字は書けるでしょう
そうやって生み出した文章を校正し、適切な言葉を紡ぐ作業を続けていけば、アウトプット能力は向上し、ストレスを蓄積しにくい体質になっていくもの
ただし、日常的な人付き合いの中で、文章を推敲する作業など誰もかれもやっていられない
だから私は、相手のカタコトの日本語や身振り手振りなどの情報から「あなたはこう言いたいのですね」と翻訳し、コミュニケーションを成立させる役割を担っているのです▲
藤依 実誠の写メ日記
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言語能力藤依 実誠