昔、自分は「女性不信」だった。
今でこそ、こうして女性と向き合う仕事をしているけれど、正直な話それができるようになるまでに時間がかかった。
きっかけは、過去に付き合った二人の彼女だった。
最初の彼女は、同じ部活の仲間だった。
当時、部内恋愛は禁止されていて、隠れて付き合ってたんだけどある日それが顧問にバレて部を辞めさせられた。
その時点で罪悪感もあったし「自分のせいで彼女の居場所を奪ってしまった」と本気で思ってた。
けど、最終的には別れることになった。
それも、後から知ったんだけど、、、彼女は同じ部の主将とも関係を持ってたらしい。
裏切られたって言葉だけじゃ表せない感情がこみ上げた。
二人目の彼女のときも同じような出来事があった。
付き合ってたと思ってたのは自分だけで実は彼氏がいた。
「彼氏がいるから別れよう」って言われたとき頭が真っ白になった。
俺って何だったんだろうって本気で思った。
その頃の俺は、見た目にも強いコンプレックスを持ってて「自分には恋人なんてできない」って思ってた矢先にできた彼女だったから余計に大切にしていたしどこか救われたような気持ちで一途に見ていた。
だからこそ裏切られたあとに残った虚無感はとても大きくて、選ばれなかった自分裏切られた自分信じたことを後悔する自分、、、 その全部がぐちゃぐちゃになって怒りや悲しみがどうにも処理できなかった。
気づけば女性そのものを信じられなくなっていた。
「どうせまた裏切られる」
「本音なんて、見せたら利用されるだけ」
そんな思いが、自分の中に染みついてしまっていた。
でも、時間が経つにつれてゆっくりと少しずつ考えが変わっていった。
そんな人ばかりじゃない。
そう気づかせてくれたのは周りにいた誠実な人たちやたまたま見かけた誰かの優しさだったかもしれない。
たぶん誰かを信じる力って急に戻るもんじゃなくて小さな積み重ねの中で育てていくものなんだと思う。
自分はセラピストとして女性と向き合う仕事をしている。
不思議な巡り合わせだけど過去の経験があるからこそできることがあるとも感じてる。
お話を聞いていると過去の自分と同じように誰かに裏切られたり傷ついたりした経験を持つ方も少なくない。
だからこそ俺のこの過去もただの「痛み」じゃなくて「誰かの心に寄り添える材料」になるのかもしれないと思ってる。
もうあの頃のように自分を責めたり世界を閉じたりはしない。
むしろあの頃の自分がいたからこそ今の自分がいる。
そしてそんな自分だからこそ誰かに伝えられることがある。
今日もまた大切にしたい人の声に丁寧に耳を傾けていこうと思う。
昴の写メ日記
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あの日、女性不だった頃の自分へ昴