Noah

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昴の写メ日記

  • 三流セラピスト
    三流セラピスト

    性感の施術中に「イッた?」って聞くのは三流。

    あるときそんな話を耳にして俺もそう思った。
    たしかにそういう問いってどこか“正解”を求めてるような響きがある。
    それが自分の施術の結果を確認してるだけになっていたら、セラピストとしての在り方として少し違うんじゃないかと思う。

    気持ちよさって数字でも言葉でも測れない。
    その瞬間、身体がどう震えていたか。
    呼吸がどう変わっていったか。
    その空気にどれだけ気づけるかが俺たちの仕事だと思ってる。

    だから俺は終わったあと「どうだった?」とはあまり聞かない。
    そのかわりに俺のほうから伝えることが多い。

    「この辺りを撫でてたとき、指先が触れただけでふっと力が抜けてたよ」とか、「こっちを舐めた瞬間、腰が反応してたの、気づいた?」とか。

    自分では気づかない無意識の反応。
    それを伝えると「そんなに反応してたんだ」って照れたように笑う人もいる。

    その顔が見たくてたぶん俺は話すんだと思う。

    性感って“して終わり”じゃない。
    終わったあとにその人が“自分の身体”とちゃんと出会い直す時間がある。

    気持ちよくなるって実は“気づくこと”なんじゃないかと思うことがある。

    触れられて揺れて反応する自分を自分自身が知っていく。

    俺はその過程にそっと寄り添いたい。
    無理に言葉にしなくてもいい。
    でも、終わったあと「なんか、今までと違った」ってぽつりとこぼしてくれると俺のほうがドキッとする。

    性感って、奥が深い。
    快感って、ひとつじゃない。

    だからこそ、終わったあとに生まれる静けさを俺はとても大切にしてる。

    次に会うときはまた新しい“あなたの反応”を一緒に探していこうね。