セラピストをやる前の話。
あの頃の自分はずっと太っていました。
何度かダイエットにも挑戦しましたが、成功してはリバウンドしての繰り返し。
そして20代最後の年に健康診断で糖尿病の数値が出て「このままだと命に関わるよ」とお医者さんからはっきり言われました。
実はそれまで自分の人生ってあまり楽しいと思える瞬間が多くなかったんですよね。
でも、「このままじゃ死んでしまうかもしれない」と思ったとき不思議と悲しくなって初めて「もっと生きたい」と心の底から思いました。
そこからは逃げたくなるような毎日でも必死に踏ん張ってダイエットを続けました。
ちょうどその頃女風という世界を知りました。
「こんな仕事があるんだ」「自分もやってみたい」
その想いが諦めかけてた自分の背中を押してくれました。
今こうしてセラピストとして活動できているのは、あのときの自分の選択と毎日の積み重ねのおかげです。
お客様とお話しする中でも、「ダイエットが続かなくて」という悩みを聞くことがあります。
そんなとき俺は全力で応援したいと思っています。
一緒に考えたいし、もし少しでも俺の経験が役に立つなら、どんどん使ってほしい。
俺はこの仕事を通して「生きる意味」を見つけることができました。
それを今度は誰かに届けたい。
「どうしてセラピストをしているの?」と聞かれることがあります。
女風って家族でも友達でも仕事仲間でもないなんとも曖昧な関係。
でもその“曖昧さ”がすごく大切なんじゃないかなって思うんです。
はっきりとは言葉にできないけれど、そばにいてほしいときにそっと寄り添える存在。
それが俺にとってのセラピストであり女風の意味です。
その人にとって性的な癒しが支えになるならちゃんと講習に行って学びます。
言葉が必要ならちゃんと聞くし寄り添います。
「女風を利用してよかった」そう思ってもらえる人がひとりでも増えたら嬉しいです。
派手じゃなくても見えづらくても積み重ねた時間はきっと誰かの力になる。
俺自身がそうだったから、信じています。