最初はみんな、ちゃんとしてる。
笑っている。
話している。
どこか遠慮もあって、緊張も少し残っている。
けれど、触れて、呼吸がゆっくり重なって、沈黙が増えていくと、、、
少しずつ、変化が見えてくる。
言葉が減る。
目が合っても、すぐには逸らさなくなる。
肌が、言葉より先に反応を始める。
快感って、一気に押し寄せるように見えて、本当はとても静かな“崩れ”の連続だと思う。
「気持ちいい」というより、「なにも考えたくない」
その気配が漂いはじめると、理性が静かに溶けてきた証だ。
俺はその変化を、いつも待ってる。
焦らず、追いかけず、ただ、崩れていくその過程に寄り添う。
たとえば、最初はピンと伸びていた足が、いつの間にか脱力してシーツに沈んでいく。
そんな変化が、一番エロい。
“感じる”とは、コントロールを手放していくこと。
快感とは、少しずつ理性が剥がれていく工程。
だから、急いで何かを与える必要はない。
次の一手を考えるよりも、その人の“崩れていくペース”を感じ取るほうが、ずっと大切。
心も身体も、すぐには開かない。
けれど、ゆっくり剥がれていったその先には、きっとその人自身も知らなかった深さがある。
俺は、その変化に立ち会えることを、この仕事の何よりの醍醐味だと思ってる。