壁一面が鏡になってるホテルって、なんであんなにエロいんだろう。
別に何もしてないのに、ただそこに立ってるだけなのに、鏡に映る姿がなんだかいやらしく見えることがある。
服を脱いだ瞬間の肩の動きとか、うつぶせになったときの背中のカーブとか、指先が何かに触れたときの反応まで
全部、鏡の中だと、やけに艶っぽく見える。
それってたぶん、“見られてる”自分を自分で見ることで、興奮が反射してるんだと思う。
性感のとき、鏡があると自分の手の動きも、肌の変化も、全部が“視覚化”される。
どこに触れたときに身体が動いたのか。
どの角度で首が傾いたのか。
鏡に映ったその姿に、自分もドキッとすることがある。
「触れられてる感覚」だけじゃなく、「見えてしまう自分」にもゾクっとする。
鏡越しのエロスって、触れられるより先に、視線で心をほどく感じがする。
「性感は、感じるより先に“見えてしまう自分”を受け入れることから始まる」
そう思うと、鏡ってただのインテリアじゃない。
エロスのための装置かもしれない。