「初回はあんなに優しかったのに、最近はなんだか適当で、、、」
そんな言葉を見かけたとき、ドキッとしたことがあります。
自分のことじゃなくても、心のどこかが少しざわつく。
それくらい、“慣れ”って、人との関係にとって静かだけど大きなテーマだと思うんです。
何度も会ううちに、お互いに緊張が解けて、気軽に話せるようになって、言葉遣いが砕けたり、距離が近くなること。
それって本来、とても嬉しいことのはずなんですよね。
でもその一方で、最初は丁寧だった挨拶や一言が、いつの間にか省略されたり、当たり前になったりすると、「前と違うな」と感じさせてしまうこともある。
たとえばアフターメールが遅くなったり、返さなかったり。
待ち合わせのときの声かけが、どこか機械的になっていたり。
それが、たとえ意図していない変化でも、受け取る側にとっては、寂しさや違和感になってしまうことがあるんだと思います。
“慣れ”は、安心や信頼の証でもあるけれど、甘えてしまった瞬間に、関係を壊してしまう危うさもはらんでいる。
自分も、何度も指名してくれた方がふと界隈を離れたとき、表には出さないけれど、「自分の何かが足りなかったのかな」と問いかける瞬間があります。
あのとき、もう少し丁寧にできていたら。
もう一歩、気持ちを伝えられていたら。
そう思うことは、正直、一度や二度じゃありません。
でも、だからこそ思うんです。
関係が続いているからこそ、当たり前になりそうな今だからこそ、「今日も、この時間を大切にしたい」って気持ちだけは絶対に手放しちゃいけないなって。
馴染んできたからこそ、もっと丁寧に。
慣れたからこそ、もっと誠実に。
それが、自分がこの仕事を続けるうえで大切にしている覚悟のひとつです。