「大丈夫」って言ってるけど、大丈夫そうに見えない人。
「楽しかった」と笑ってるけど、どこか無理をしてるように見える人。
この仕事をしていて思うのは、本当に伝えたいことって、言葉の外側にあることが多いということです。
人はみんな、それぞれ事情や背景を抱えていて、その中で“言葉にできる範囲”って意外と狭いのかもしれません。
だからこそ、自分が大事にしているのは、言葉の「前」と「あと」にあるものをちゃんと感じ取ることです。
たとえば、言葉に詰まった“間”。
目を逸らす仕草、ちょっとした息づかい。
体が少しだけ強ばったり、逆にふっと力が抜けたり。
そういう小さな変化の中に、「言いたいけど言えないこと」や「伝えたいけど言葉にならない想い」が隠れていることがある。
マッサージ中でもそうです。
反応のない沈黙に不安になることもあるけど、手に伝わってくる呼吸や温度から「安心してくれてるな」と感じる瞬間がある。
会話がなくても、言葉が少なくても、“伝えようとしてくれている”ことって、案外ちゃんと伝わる。
だから自分は会話の上手さより、沈黙を一緒に過ごせることを大切にしたいし、うまく話せないことよりも、「そばにいていいと思える空気」を大切にしたいと思っています。
言葉ってとても便利だけど、どこか不器用で、曖昧で、限界もある。
だからこそ、言葉にならないものを感じとろうとする姿勢が、誰かにとっての安心になるんじゃないかと思っています。
伝えきれなかった気持ちも、伝える手前で止まった言葉も、ちゃんとここで受けとめたい。
これからも、言葉だけに頼らないふれあいや時間を、大切にしていきたいと思っています。