セラピストとしてデビューしたばかりの頃、「どうすれば気持ちよくなってもらえるんだろう」ってことばかり考えていた。
当時の俺は、正直まだ経験も浅くて、どこか“わかりやすい反応”が正解のように思ってたんだと思う。
カウンセリングのときなんかも、「過去に気持ちよかった場所はありますか?」みたいに、今思えばちょっと踏み込みすぎたことを聞いてしまっていた時期がある。
もちろん、悪気があったわけじゃない。
ただ純粋に、相手の好みを知って、ちゃんと応えたいと思ってた。
でも今思えば、それって“気持ち良い場所に触れるか”ばかりに意識がいっていて、“どう触れ合うか”とか、“どんな空気で一緒にいるか”を、あまり見られてなかった気がする。
施術を重ねていく中で、少しずつ気づいた。
気持ちよさって、場所よりも“心の状態”で決まるんだってこと。
たとえば、肩でも背中でも手でも、相手の呼吸が落ち着いてきて、緊張がほどけたときって、ふいに触れたその場所が「感じるスイッチ」になることがある。
逆に、どれだけ繊細に触れても、相手が警戒していたり、心がどこか遠くにあるままだと、そのスイッチは入らない。
つまり、“ここを触れば気持ちいい”っていう話じゃない。
その人がどれだけ安心できているか、その空気の中にちゃんといられるかで、スイッチが入るかどうかが決まってくる。
今の俺は、「どんな時間にしたいか」とか、「どんな空気で過ごしたいか」の方を大事にしてる。
触れることは手段のひとつでしかなくて、その人の“感じたい心”が動かなければ、きっと何も届かない。
デビュー当初の俺は、「してあげたい」が強すぎた。
今は、「一緒に作りたい」に変わった気がする。
スイッチは人によって違う。
その位置も、タイミングも、まるで日によって変わるみたいに繊細だ。
でも、心がひらいた瞬間に、それはちゃんと目を覚ます。
だから今日も俺は、あなたが安心してスイッチを入れられるような空気を、ゆっくり整えていきたい。
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