「言葉にすることは大切」とよく言われるけど、それができない人が増えているように感じる。
正確には、「言葉にできない」というより、「言葉にするのが難しい」感覚の人が増えているんじゃないかと思う。
「うまく言葉にできないけど、何かが違う」
「頭ではわかってるけど、言語化できない」
「言わなくても察してほしい」
こういう気持ち、確かにわかる。
自分自身も、全部を説明するのが面倒な時があるし、言葉にした瞬間に何かがこぼれ落ちるような気がすることもある。
でも、そんな時に「察してくれよ」と思ってしまうのは、相手に甘えているのかもしれない。
それでも、人は「察してほしい」と願うものだ。
「大丈夫？」と聞かれて「大丈夫」と答えていても、本当は大丈夫じゃない。
言葉通りに受け取るのではなく、その裏にある気持ちを感じ取れるかどうか—
—そこに、本当の優しさがあるのかもしれない。
たとえば、疲れているときに「大丈夫？」って聞かれると、それだけで少し救われる。
落ち込んでいるときに、何も言わずにそばにいてくれると、それだけで安心できる。
結局のところ、言葉だけが全てではなく、雰囲気や空気を読む力も大切なんだと思う。
「できる人」っていうのは、ただ言葉にするのが上手い人じゃなくて、言葉にできない部分を汲み取れる人のことなんじゃないか。
言葉を尽くすだけじゃなく、相手が何を伝えようとしているのか、言葉の外にあるものを感じ取れる人間になりたい。
「察してほしい」という気持ちを、察することができる人間に——。
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