クリスマスイブと言えば、街は恋人たちの笑顔とキラキラしたイルミネーションで溢れる、特別な日です。
けれど、クリスマスイブは、私にとって少し違う色をしていました。
それはセラピストになる前の話です。
私は社会人を経て、新しい知識を求めて学生に戻り、勉強の日々を送っていました。
しかし、周囲は男性ばかりで、恋愛の気配は一切なし。
十数年恋人がいなかった私は、「そろそろパートナーがほしい」と思うようになりました。
そして、思い切ってマッチングアプリに挑戦したのです。
アプリの世界は、想像以上にシビアでした。
プロフィールを工夫し、魅力的に見える写真を撮るのに苦労しながらも、気づけば数万円を課金していました。
それでも、ついに一人の女性とマッチングすることができたのです。
メッセージのやり取りもスムーズで、初めての食事の約束も実現しました。
その食事は楽しい時間で、お互いのSNSも交換できたので、私は個人的に手応えを感じていました。
「これが新しい恋の始まりかもしれない」――期待せずにはいられませんでした。
そして、彼女に勇気を出して二度目の食事に誘いました。
その日は特別な夜、クリスマスイブでした。
待ち合わせは新宿東口のライオン像の前。
人混みの中、少し緊張しながら彼女を待っていました。
「仕事が押していて少し遅れる」との連絡があり、「待つのは得意だから」と自分に言い聞かせて時間を潰しました。
30分、、、
1時間、、、、、
そして2時間。
人混みが減っていく中で、その人は現れませんでした。
LINEを送っても既読がつかず、不安が募るばかり。
そして、何気なくSNSを見ていると、その人のアカウントに新しい投稿がありました。
そこには、別の男性と楽しそうに食事をしている写真が映っていたのです。
その瞬間、胸に鈍い痛みが走り、スマホをそっとコートのポケットにしまいました。
街の賑やかさとは裏腹に、心に冷たい風が吹くような夜。
私は一人、家路につきました。
その夜、枕がほんの少し湿っていたのを覚えています。
涙に滲んだスマホ画面からマッチングアプリをアンインストールするのは、意外と簡単でした。
それ以来、マッチングアプリはトラウマになりました。
もう手を出すつもりもありません。
さて、今ではセラピストとして働いていますが、たまに「無断キャンセル」に遭ったセラピストの声を目にします。
そのたびに、このクリスマスイブの記憶が蘇ります。
予定をキャンセルすること自体は仕方がない時もあります。
けれど、せめて一言、連絡があるだけで救われる心がある――
私はそう思います。
もし、この日記を読んでいる方の中で、何か予定をキャンセルすることがあったなら、どうか一言だけでも伝えてください。
その小さな行動が、相手の心を救うことにつながるのです。
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