花様年華
ウォンカーウェイ監督作品
ずっとみようみようと思っていて2時間映画に向かう体力気力がなくてやっと観れた
想像してたのと違って、より繊細で色気がありながら上品でとてもとてもいい映画だった。
アジアの湿った空気感と赤っぽい色彩で彩られた衣装や建物が映画を更に色気ある物へと昇華している。
小津もゴダールもウォンカーウェイも赤がすきなんだな。
勝手に「大人の恋」のイメージが纏わり付いてるからより直接的に官能シーンを描くと思っていた。本作では触れ合いそうで微妙な距離感を保ち続けていた2人の身体が近接するシンプルな反復を描くことで直接的に描くより官能的ではいかと思う程の空気感を作り出していた。
チャウの妻とチャンの夫は声だけで姿は一切出てこないのとか、作品世界の切り取り方がいちいち洒落ている。
チャンが夫の不倫を知りシャワーを浴びながら泣いているのを鏡越しに撮るシーン、チャウがチャンを呼び出して初めてレストランで食事するシーンで2人の料理と手元が交互に抜かれるところとか
二人が向かい合って食事するのが
あんなにエロいもんなのかと口をあんぐりさせてました
やっぱり一緒に食事しながら話すのってすごい時間なんだなと
改めて思わされました
お互いの配偶者が好きだった料理を頼み合い食べるシーンがかなり好き。最初お互いに牽制の意味も込めて意地悪してるのかと思いながら見てたけど、純粋に想いを馳せてるのかな。
チャンの夫とチャウの妻がどういう風に不倫関係になっていったのかを想像してチャンとチャウが演じてみるところとか、チャウが、どうやって夫に他に女がいるのかと問い詰めるのかを練習してみるところとか、他にも作品の中の現実と虚構を行ったり来たりするのが不思議で魅力的だった。
秘密は深い山の木に穴を開けてそこに吐き出し、そのあと土で穴を埋めれば誰にもバレない、という話や、チャウが執筆の仕事のために借りた部屋の番号が2046だということは『2046』への伏線?
毎回、ウォン・カーウァイ(王家衛)の中国語表記の字面の強さに圧倒される
あらすじ
「どっちが誘ったにしろ、もう始まってる一」互いに伴侶に裏切られた男女のプラトニックな恋を、ウォン・カーウァイが官能的な映像美で情感豊かに綴る。トニー・レオンがカンヌ国際映画祭男優賞を受賞。華麗な衣装に身を包むマギー・チャンの美しさも必見。
玲一の写メ日記
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映画とエロス vol.43玲一