映画とエロスVol.27
「Swallow スワロウ」
異食症というものがあると本作で初めて知った。御曹司の息子と結婚し、NY郊外の豪邸で専業主婦をしている女性がある日、ビー玉を飲み込みたい衝動に駆られて、本当に飲み込んでみると自分が解放されたような気分になる。彼女はそれから画鋲や乾電池などあらゆるものを飲み込んでしまいたくなる。そうすることで充足感と快楽から満たされることができる。
彼女の秘められた欲望には彼女の出生にも関わりがあり、彼女は家から飛び出し自身のルーツに向き合うことになる。
この主人公の場合、抑圧的な環境がある種の精神疾患を引き起こす要因になっているようだが、実際に異食症は極度のストレス状態が引き金も多いらしい。ジェンダー差異による男女の社会的抑圧の重さの違いも浮き彫りしていて引き込まれます。
現代建築の豪邸や調度品、スタイリッシュでどのシーンも素敵です。
最後の女子トイレの長回しシーンがとても印象的で美しかった
快楽や興奮、刺激が生きる上で重要であり、満たされることが心の平穏につながるんだろうな
刺激がないと安らぎも薄っぺらく虚しい
あらすじ
「ガール・オン・ザ・トレイン」「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」のヘイリー・ベネットが異物を飲み込むことで自分を取り戻していく主婦を演じるスリラー。ニューヨーク郊外の邸宅で、誰もがうらやむような暮らしを手に入れたハンター。しかし、まともに話を聞いてくれない夫や、彼女を蔑ろにする義父母の存在など、彼女を取り巻く日常は孤独で息苦しいものだった。そんな中、ハンターの妊娠が発覚し、夫と義父母は待望の第一子に歓喜の声をあげるが、ハンターの孤独はこれまで以上に深くなっていった。ある日、ふとしたことからガラス玉を飲み込みたいという衝動にかられたハンターは、ガラス玉を口に入れて飲み込んでしまう。そこでハンターが痛みとともに感じたのは、得も言われぬ充足感と快楽だった。異物を飲み込むことに多幸感を抱くようになったハンターは、さらなる危険なものを飲み込みたい欲望にかられていく。
玲一の写メ日記
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映画とエロスVol.27玲一