キム・ギドク監督『魚と寝る女』
2000年公開の韓国映画
概要はこちら↓↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%9A%E3%81%A8%E5%AF%9D%E3%82%8B%E5%A5%B3
釣堀の管理人であり、釣り人相手に売春もしつつ生活をしている女性の元に自殺志願者の男性(元警官)が現れて、基本的にその2人を軸にストーリーが進んでいく映画でした。
前評判で確認していた通り、釣り針の束を飲み込んで自殺を図ったり、生きた魚を鉈でバラバラにしていくエグい描写はあったけど、個人的にとても良い映画だと思いました。
釣堀の管理人役の女性は劇中で一切喋らないし、他の登場人物達のセリフも多くないのですが、ストーリー以上にこの映像が持つ雰囲気というか空気感が素晴らしいんですよ。
ストーリーを通して誰が救われるでも、人間的に成長するでもなくて、一貫して世界観が美しいんですね。
俺は現実世界を生きていると、この世界は不条理で、色々な争いがあったり、嫌なことや意味不明なことが多いと感じるんですよ。とてもシンプルに生きずらいなぁと。
でもこの映画を観て、そんな世界だとしても、あえてベタに「それでもこの世界は美しい」と信じてみるのも悪くないんじゃないか知らんと思いました。それはとても難しいことだけど、1つのサバイブ術にはなる気がします。
兎にも角にも良い映画でした。