ポン・ジュノ監督『グエムル-漢江の怪物-』
2006年公開の韓国映画
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「グエムル」ってのは韓国語で「怪物」を意味するようで、作中にはグエムル(怪物)が出てきます。このグエムルには例えば「ゴジラ」や「ガメラ」みたいな固有名詞は付けられていなかったので、それに習いこの日記でも「グエムル」と呼びます。
すっごい大雑把にストーリーを説明すると、韓国の漢江(大きい川の名前)に突然現れたグエムルに娘を連れ去られてしまった家族が娘を取り戻すべく奮闘する話なんだけど、めっちゃ面白いし、色んな楽しみ方があったんですよ。それらのお楽しみポイントをいくつか挙げるので、もし観る機会があれば参考にしてください。
①グエムルがチャーミング
シンプルにルックスと動きが良いんですよね。画像検索すればすぐに出てくるけど、マグロとエドワードギーガーのエイリアンの間に生まれた子が大山椒魚との間に子を作って、その子が生後間も無くからシルク・ド・ソレイユの養成所(空中ブランコがメインの課程)で育てられた感じです。
恐らくファイナルファンタジーに出てきたら中ボスクラスで、クトゥルー神話に出てきたら速攻でブチ殺されるくらいの立ち位置でしょうか。俺の言わんとしてる事は映画を観ればわかると思う。たぶん。
そんなグッドルッキングなグエムルが泳いだり高架下でアクロバティックな動きを披露するシーンはリアルで圧巻です。そして彼が走るシーンもあるのですが、やはり水泳と体操は得意だけど徒競走は苦手なようで、途中でよろけたりするんです。そんな状態でも足を止めない彼を応援するのも一興でしょう。非常にハートウォーミングだと思います。グエムルかわいいよグエムル。
②グエムルが人間でもストーリーが成り立ちそう
作中のグエムルはフィジカルの強さに物を言わせて結構な数の人間を殺したり食べたするので一見するとモンスターパニック系の映画っぽいけど、よくよく考えるとこれは結構ポリティカルな映画な気もします。
例えば動機不明の無差別殺人の観点から考えると分かるかもしれません。今の先進国家って大体が法治国家じゃないですか。そんで法治国家には明文化された法律があって、それは守るべきものとされ、違法行為は罰せられる前提というか共同幻想がある訳です。
そんな枠組みの中に、突如として「法律も罰則も倫理観も関係ありませーん。自分の欲求だけに従って何でもやりまーす」って存在がポンと現れると基本的に対応できないんですよね。
なので、ある一定の言語と言うかコードみたいなのを全く共有できない存在に対処できない世界の脆弱性を描いてるなぁとも取れたのです。それがたまたまグエムルだっただけで、仮にグエムルを武装したパワー系無差別殺人者にしてもストーリーは語れるなと。
③アーチェリーと火炎瓶がエモい
終盤にこの2つの武器が大活躍するシーンがあって、めっちゃアツいんですよ。銃と爆弾じゃなくてアーチェリーと火炎瓶な所がエモいんです。
古代から伝わる弓術と全共闘御用達の火炎瓶のコラボレーションが生むレボリューションはとても感動的でした。
まぁ、兎にも角にも面白い映画だから見て損はないと思います。ではまた。
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