風邪をひいたときには薬がある。
筋肉痛にはプロテインがある。
便秘にはヨーグルトがある。
飲み過ぎにはソルマックがある。
では心が疲れたときには、何を飲めばいいんだろう。
たしかにどれも効くかもしれないけれど
用法用量を間違えると、逆に副作用で倒れる可能性すらある。
■まず、お金は効く。即効性がある。
財布の中に余裕があると
心にも余裕が生まれる。
たとえば朝、電車に遅れそうになったとき
タクシーを迷いなく拾えるときの「勝者感」。
雨の日にコンビニで1,000円の
折り畳み傘を買うときの「大人やってる」感。
ただし、お金は万能薬ではない。
効いてるのは「不安の先延ばし」であって
「根治」ではない。
■恋はよく効く。劇的に効く。
気になってる人からの「おはよう」の
通知だけで、前日までの鬱屈が
吹き飛ぶことすらある。
もうなんなら朝ごはん食べた気になる。
ただし恋の効き目にはムラがある。
いつまでも効果が持続するとは限らないし、
飲み合わせ(相手の恋愛観)によっては劇薬になる。
失恋したあとには、だいたいこうなる。
「恋に恋してただけかもしれない」
胃薬を飲みながら。
■で最も地味に、けれど確実に効いてくるのは
“誰かのなんてことのないひと言”
だったりする。
「それ、わかる」
「無理してない?」
「You、今日はもう休んじゃいなよ」
栄養ドリンクでもなければ
サプリメントでもない。
でも、こういう言葉が
ふとした瞬間にスッと心に入り込んで
気づいたら
もうちょっとだけ頑張れていたりする。
効くまでに時間がかかるけど
副作用がない。依存性もない。
たぶん、いちばん“安全性の高い”処方箋。
心ってちょっと変わっていて。
高価なものや派手なものには
意外と無反応だったりする。
でも、ふと目に入った誰かの優しさとか
何でもない風景の中にある静かな光に
ちゃんと反応してくれる。
効かせるには時間とタイミングと
ちょっとの余白。
この日記が誰かの
小さな“回復のきっかけ”になりますように。
from...Eveki
Evekiの写メ日記
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「心に効くもの効かないもの」Eveki