こんばんは。
帰宅に成功し、鶏大根を煮つつこれを書いています。昨日は帰りそびれました。
豆苗が伸びてきたのでほうれん草とあわせて卵炒めにしようかな〜。それと実家でとれた新米で今日の献立完成です。
読書が好きなんですが、ここ最近読んでいるのはフランスの作家、ミシェル・ウエルベックの新刊『滅ぼす』です。まだ上巻の途中。
ウエルベックの作品は世界中で広く読まれていて、有難いことに新刊は比較的スムーズに邦訳、出版されます。
予言的なお騒がせ作家、として扱われることが多いのですが、そう呼ばれる理由は、イスラム過激派によるテロを『服従』で、黄色いベスト運動のような反政府デモを『セロトニン』で、実際の事件より先に書いたためです。
世界のメカニズムーーーグローバリズムと加速する資本主義社会に出口のないことが明らかである現在、精緻に現代社会を写し取ってきたウエルベックにとってこれらは魔術的な予言ではなく、既に決定づけられた未来を記述したに過ぎないので、スキャンダラスに持ち上げるばかりでは勿体無い気がします。
ウエルベックは淡々とジャーナリズム的な態度で世界を書くことで、読者に、絶望的で覆し難い現実から目を背けず見つめることを要求します。
それから、この世界における愛の不在、不可能性も、ウエルベックが繰り返し書き続けてきたことです。
あい、と口にするだけで空虚な感じがしませんか?
絶望することで希望を知るように、愛の不在を知覚することで初めて愛の存在に気づくことができるのです。
ただ、愛の可能性については明示されておらず、愛の革命の可能性は読者に委ねられています。
星の写メ日記
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ウエルベックと愛の可能性星