タイトル:秋刀魚の味
監督:小津安二郎
製作国:日本
小津安二郎監督の遺作となった1962年の作品です。
内容は小津作品お決まりの「お嫁に行く美しい娘とそれを見届ける優しい父親の物語」です。
私は父親役の笠智衆という俳優が大好きですが、本作でも笠智衆の魅力が全開に溢れています。
妻に先立たれて以降仲良く暮らしてきた娘がいよいよ嫁ぎ、一人残されて台所に立ち背広を脱ぐ後ろ姿がなんともたまりません。
彼は熊本出身ですが、何歳になっても熊本訛りが抜けていないところも好きです。
たしかヴィンセント・ギャロが何かのインタビューで一番好きな映画作品として本作を挙げていました。
ゆったりとした昭和の日常や経済成長期の都会の夜、スーツのサイズ感と着こなし、現代とは少し異なる会話のテンポと他人との距離感がとても新鮮で面白いです。
何回観ても魅力的で気品のある素晴らしい作品です。
禅の写メ日記
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キネマ禅報 #2 秋刀魚の味/小津安二郎禅