2010年から2011年にかけて、主に村上春樹さんの自宅で収録した小澤征爾さんへのロング・インタビュー。
今年の2月に小澤さんが亡くなったのを機に、僕はもう一度この本を読み返した。
共に世界中の人々から愛されるマエストロと小説家の2人が、一緒にレコードを聴き、お茶を飲みつつ、小澤さんの音楽人生を振り返る対話が綴られている。
レナード・バーンスタインに師事し、ニューヨーク・フィルハーモニックの一員として帯同する若き日々の話や、
スイスの美しい湖畔で、世界中から選抜された音楽エリートの若者たちに、より高度なセミナーを主宰する近年の話など、
小澤さんのバイタリティ溢れるエピソードが満載で、終始楽しく読むことができる。
2人のように年齢を重ねても素直で謙虚な姿勢で学び、努力を続けることができる人は、他者に多くの幸せや感動を提供することができると改めて思い知らされた。
対話の中で村上春樹さんがさらっと言った「良き音楽はいくらたくさんあっても多すぎることはない、愛と同じように」という言葉も大変良い。
禅の写メ日記
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【本】 #9 小澤征爾さんと、音楽について話をする/村上春樹禅