ケインの写メ日記

以下は「これは浮気なのか、自分への手当なのか」というテーマに基づいた日記形式の文章です。
恋愛関係における心の葛藤や、他者との関わりを通じて自分を癒すという複雑な感情を描いています。

日記：これは浮気なのか、自分への手当なのか
彼に対する気持ちが、どうしても整理できない。

もしこれが“浮気”だとしたら、私は裏切っていることになる。
でも、もしこれが自分を癒すための“手当”だとしたら？
私が必要としていたのは、誰かに抱きしめてもらうことや、心の奥にある痛みを少しでも癒すことだったのではないか？

セラピストに会うことに決めたのは、決して彼を裏切るためではなかった。
私はただ、心の隙間を埋めたかった。
この数ヶ月、彼との関係が少しずつ冷めていくように感じていた。
お互いに忙しく、話す時間も減り、触れ合うことも少なくなった。
そのせいか、私はどんどん心が孤独になっていった。

そして、彼がいなくても私を満たしてくれる何かを求めていた。

最初にセラピストに会ったとき、その瞬間はただ静かに過ぎていった。
お互いに無理に何かを期待し合うこともなく、彼はただ私を温かく包み込んでくれた。
心地よい声で話し、私が緊張しないように、ただ自然体で接してくれたことが、
どこかホッとさせてくれた。

でも、いざ触れられると、私はその瞬間に恐れを感じた。

「これが浮気なんじゃないか？」
心の中で、その言葉が何度もよぎった。

セラピストの手が私に触れるたびに、
自分を愛してくれているのは本当に誰なのか、わからなくなる気がした。

でも、同時に感じることもあった。
これが浮気であれば、それはただの肉体的な関係に過ぎるだろう。
でも、私が求めているのは、触れられたときに、少しでも自分を取り戻す瞬間だったのではないか。

心の中で、まるで痛んでいる部分をそっと触れられているような感覚があった。
それは、私が求めていた「手当」だったのかもしれない。

そして、セラピストの言葉が、私の胸に響いた。

「あなたが必要としているのは、愛情だけではない。
心が疲れていて、誰かに寄りかかりたくて、
その一瞬の安らぎを求めているんだね。」

その言葉が、私の中で何かを解き放った。
確かに、私は愛されることを求めていたけれど、それ以上に、
「癒される時間」を求めていたのだ。

帰り道、私はまだその気持ちに整理がつかないままだったけれど、
少なくともひとつは分かっていた。

これは浮気なのか、手当なのか。
答えは出ないかもしれない。
でも、私はただ、心が満たされる瞬間を求めていただけだということは、
確かだった。

自分の心を大切にすることに罪悪感を感じる必要はないのだと、
その時初めて気づいた。
他人の愛や慰めを求めることは、決して悪いことではない。

それが愛であれ、癒しであれ、
私はその瞬間に自分に必要なものを見つけていた。