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ケインの写メ日記

ケイン

ケイン  (30)

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  • 「快楽よりも、呼吸を合わせる時間が欲しかった」
    ケイン
    「快楽よりも、呼吸を合わせる時間が欲しかった」

    以下は「快楽よりも、呼吸を合わせる時間が欲しかった」というテーマをもとにした日記形式の文章です。
    快楽の追求を超えて、心と身体が調和する瞬間を求める心情を描いています。

    日記:快楽よりも、呼吸を合わせる時間が欲しかった
    欲しいのは、快楽だけじゃない。
    いつもそんな風に思っている自分が、
    どこか矛盾していることに気づかされる。

    毎日、世間は「もっと快楽を」「もっと刺激を」と言っている。
    でも、私はそのどれもが、どこか空虚に感じていた。

    何が足りないのだろう。

    セラピストと会う前、私は心のどこかで答えを探していた。
    性行為の後の虚無感、
    欲望を満たしたのに、なぜか心が満たされない不安。

    お金を払っても、快楽だけではそれは埋められない気がしていた。

    彼がホテルの部屋に入ってきたとき、
    私はまず、手を出すことなくただ一緒に座った。

    「何かしてほしい?」
    その問いに、私は少し戸惑った。

    普段、こういう場で求められるのは、
    即座に反応すること、
    快楽を感じて、相手を満たすことだと思っていたから。

    でもそのとき、私はただ、**“一緒に呼吸をする時間”**が欲しかった。
    彼と、互いのペースで、
    言葉なくとも存在が通じ合う瞬間を感じたかった。

    最初は彼も戸惑っていた。
    私が快楽を求めていないことを、理解するのに少し時間がかかったようだった。
    でも、やがて彼は私のペースに合わせ、
    触れることなくただじっとしてくれた。

    私たちは、まるでひとつの呼吸をするように、
    互いのリズムを探しながら、その時を過ごした。

    何も急がない。
    ただ、ここにいることを確かめ合うだけの時間。

    その時間が、私には何よりも心地よかった。

    快楽を超えた、もっと深いところで繋がる感覚。
    その瞬間、私は初めて気づいた。

    快楽は一瞬で終わるかもしれない。
    でも、呼吸を合わせることは、永遠に続く可能性がある。
    息を合わせることで、お互いの存在を確かめ、
    言葉以上のものを感じることができる。

    その夜、私が求めていたのは、
    ただ単に触れられたり、満たされたりすることではなく、
    共鳴する時間だった。