ケインの写メ日記

女性の性欲が社会から無視されがちな理由は、長い歴史の中で構築されてきた性に関する価値観・ジェンダー構造・宗教的・経済的圧力が複雑に絡み合ってきた結果です。以下に、主な背景と理由を整理します。

1. 歴史的・宗教的価値観による抑圧
■ 男性主導の性道徳
多くの社会において、性は「男性の欲望」によって定義されてきました。
男性は“攻める側”、女性は“受ける側”という構造が当たり前とされ、女性の欲望は語られることなく「受け身」「慎み深さ」の中に押し込められてきた。
■ 宗教や道徳によるコントロール
キリスト教、儒教、イスラム教など、多くの伝統宗教では、女性の純潔・貞淑が重視され、性的欲望を持つことは「堕落」や「罪」とみなされた。
結果的に、女性の性欲は「抑えるべきもの」「恥ずべきもの」とされてきた。

2. 男性中心社会における“都合のよい女性像”
社会は長らく、**男性の視点に都合の良い女性像（例：清楚、従順、無垢）**を理想とし、それに合わない女性（性欲を持つ、積極的な、欲望に忠実な女性）を「だらしない」「軽い」と評価してきた。
女性が自らの欲望を表現することは、しばしば男性の支配構造を脅かす行為として扱われてきた。

3. 女性の快楽が可視化されにくい構造
男性の性欲は射精などによって視覚的・生理的に明確に「終点」があり、欲望の存在が“わかりやすい”。
一方で、女性の快楽や性的満足は主観的かつ多様であるため、科学的にも長く理解されず、社会の中で「見えにくいもの」とされてきた。
たとえば、20世紀に入るまで、クリトリスの機能さえ医学的に無視されていたという事実は象徴的です。

4. 性を語る女性へのスティグマ
女性が性欲を語る、あるいは自ら快楽を求めることは、「ビッチ」「軽薄」「不道徳」などのレッテルを貼られやすい。
一方で、同じような行動をする男性は「男らしい」「経験豊富」とポジティブに受け取られる。
このダブルスタンダードが、女性の欲望を語ること自体を難しくしている。

5. 資本主義と“消費される性”
資本主義社会では、性は商品化され、主に“男性が消費するもの”として設計されてきた。
風俗・AV・ポルノの多くは男性向けに作られ、女性の欲望を主役にする文化は少なかった。
女性が性を“楽しむ側”として登場することが、ビジネスとして成立しにくかった背景もある。

6. 女性の性欲＝危険？という恐れ
歴史的に、女性が性的に主体的であることは、家庭制度・男性の支配構造・宗教的秩序を脅かす存在とされてきた。
欲望を持つ女性は「制御不能」「不安定」「脅威」とされ、コントロールの対象になってきた。

7. 現代における「自分すら気づいていない無視」
抑圧は長く続くと、内面化される。
女性自身が「自分に性欲があるとは考えたこともなかった」「感じてはいけないものだと思っていた」と語ることがある。
つまり、「社会が無視している」だけでなく、女性自身が無意識のうちに自分の欲望を閉じ込めてしまっている現象が起きている。

■ 結論：無視されているのではなく、「見せることを許されてこなかった」
女性の性欲は「ない」わけでも「弱い」わけでもなく、歴史的に無視され、押し込められ、語ることすら許されなかった。
その結果、社会の制度、文化、教育、メディアの中で“存在していないこと”にされてきた。

■ 変化の兆し：今、語り始めた女性たちへ
近年、女性自身が性について語ることへの関心は高まっており、フェムテックや女性向けAV、女性用風俗、セックスポジティブな運動などを通じて、少しずつ「語れる空間」「求めていい空気」が広がりつつある。
それは、「女性が性を楽しむことは生きる喜びであり、権利である」という再定義への一歩。