かつて人々は"美しい"という概念を
言語化しようとした。
科学的に説明しようとした人は
「人間は美しいものを見たときに
ドーパミンやらセロトニンやらを脳内で分泌ブラブラブラ......」
物質的に説明しようとした人は
「黄金比に則って形成された曲線や造形がブラブラブラ......」
それらはすべて合理的に美しさを説明しようとしたが
美しいものを見たときの胸の内から湧き上がる温かな気持ちや
自然と涙を流すほどの衝撃や感動を
その根源を説明できる者はいなかった。
そしてある哲学者によってこう結論づけられた。
「言葉で語ることができないものについては、沈黙するしかない」
人は美しいものを見たとき
自然と息をのむ
言葉で言い表せない感動が
言葉にならない声となって漏れ出した
「あはれ」
言葉など、いらない
黒須 レイの写メ日記
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-あはれうるわし-黒須 レイ