昆虫を取ってきて調理した話です。
僕は小皿に
巣から取り出した
ハチの仔を
並べて台所に置き、
フライパンと
その他の調味料を
セットしました。
手順は非常に簡単で
フライパンを温めて
バターを溶かし、
ハチの仔を中に投入、
醤油を適量ふりかけるだけ。
レシピ不要の豪快さです。
それでは早速調理に
入っていきましょう。
※※※※
まずはコンロに火をつけ
フライパンを弱火で
温めていきますが
この後、ハチの仔を
炒めるときの
火加減も弱火が
推奨されています。
強火だとハチの仔が
破裂してしまう可能性が
あるためです。
そして、次は
バターの投入！
…なんですが、
この時の僕にはちょうど
強い味方がいました。
それが、
「まかいの牧場で買ったバター」
です。
「まかいの牧場」
と、聞いても
静岡県民でない方は
ピンと来ないと思いますが、
これは
富士山の側にある
静岡で最大の
レジャー牧場でして、
行けばほぼ半日は
ゴロゴロできる
素晴らしいスポットです。
当然そこで売ってる
乳製品をはじめとした
食べ物や野菜はものすごく
美味しいものばかりで
僕は行くたびにバターや
牛乳や調味料などを
どちゃっと買い込んでくる
習慣がありました。
ちなみに「まかいの」は
漢字に変換すると
「馬飼野牧場」であって
「魔界の牧場」ではありません。
ちょうどこの時
うちの冷蔵庫には
未開封のバターが、
存在していました。
僕はそれを取り出すと
封を切り、
鈍く輝くその欠片を
フライパンに投入します。
「ジャッ」
…と、鋭い音を立てて
瞬時にとける乳白色。
そして立ち昇る
ふんわりとした
バター特有の優しい香り。
フライパンの中で
バターが十分に溶けて
準備が整えばいよいよ
メインの調理です。
僕は小皿をとり、
引き続き
良い音を奏でる
溶かしバターの中に
ハチの仔を全て
投入しました。
「ジューッ」
…っと音を立てて
バターの中に
投入されたハチの仔を、
身が崩れないように
ヘラでそっと
炒めていきます。
そしてここで
醤油を数滴。
これは
スーパー田子重（たごじゅう）で
買ったごく普通の醤油です。
とくにこだわりはありません。
じゅわーっと
子気味良い音を立てて
テフロンの上で
はぜる醤油。
バターに
醤油が加わると
優しくふんわりとした
魅惑的な香りが
香ばしく食欲をそそる
悪魔的な香りに
変化していきます。
「身が少し固くなったと
思ったら中火にするんだ」
銃砲店で
知り合った先輩は確かこんなことを
言っていましたが
今回は量も少ないので
火が入るのもすぐでしょう。
カリッと焦げ目がついたら
フィニッシュでいいはず。
…そう心の中で検討をつけ、
タイミングを測る僕。
味付けはバターとしょうゆを
入れるだけですから
火入れが最大のポイントで、
ミスは許されません。
数十秒後、
サナギ状態の
仔の外装がカリッと
してきた感じに見えました。
すかさずカチッと
火をとめ、
僕はバター炒めを
お皿に移します。
ほのかな湯気を立てる
ハチの仔はどれも
真っ白だった体を
醤油の色で染めています。
これで調理は完成しました。
いよいよ実食です。
洋介の写メ日記
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昆虫を取ってきて調理した話 洋介洋介
