ハチの巣を取ってきたは
よいものの
彼らはまだ堅牢な
巣の中に
閉じこもっています。
そのためまずは
巣の中のハチの仔を
引っ張り出さなくては
なりません。
しかし、
ポッキーの箱のなかで
コロコロと転がってなお
一匹も巣から
出てきていない
ということは
ハチの仔は
それなりにがっしりと
巣の中で体を固定を
されているようです。
そしてハチの仔は
ぶにょぶにょと
柔らかな体を
していますので
ピンセットなどで
取り出そうとした場合、
体がやぶけてしまうかも
しれません。
…
うーん…
これは困ったぞ。
僕はどうやって
中からハチの仔を
引っ張り出すか、
コロンとした
ハチの巣を前にして
少し考えます。
そして思いついたのは、
ハチの仔を
引っ張り出すんじゃなくて
もう巣をまるごと
解体しちゃえばいいじゃない
…という作戦でした。
※※※※
ハチの巣の主な素材は
「木」です。
木の皮を少しずつ
強靭なアゴでガチガチと
かじって噛み砕き、
できた破片を唾液で
団子状にしたものを
建材として住宅を
作っていきます。
木材住宅に住むと考えると
人間とあんまり変わらない
習性をもっていますね。
引っ張って簡単に
壊れるようなものでは
ありませんが、
所詮、木なので
破壊する手段は
いくらでもありそうです。
…そう思い立った僕は
まずは試しにハサミで
巣を解体していく
ことにしました。
ひっぱり強度は強くても
素材自体は柔らかい
ものになりますので
刃をいれると
ジョキジョキと
巣はスムーズに
分解されていきます。
するとすぐに中から
「コロン」…と、
ラグビーボール状の
ハチの仔が一匹
出てきました。
外界にその身を
晒されて
違和感があるのか
時折、うねうねと
動いています。
そのままジョキジョキと
ハサミを進めていくこと
2、3分。
打撃属性には堅牢であっても
斬撃属性に対して脆弱な巣は
あっという間に解体され、
中から全てのハチの仔を
取り出すことができました。
比べてみるとその
形状は本当にさまざまで、
一番小さなものは
本当にまんまるなもの。
それがどんどんと
縦長に伸びていって、
そこから足が生えて
ハチの形状になって
いくんだなあ…と、
一目みただけで、
その成長過程がわかる
展覧会の様相を
呈しています。
この足の生えていない
まんまるな仔と
足がすでに生えた
サナギの仔では
味が微妙に
変わってくるらしいので
どちらも入っていたのは
とてもラッキーでした。
それではいよいよ
この取り出した仔たちを
調理していきたいと思います。
洋介の写メ日記
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ハチを巣からひっぱり出した話 洋介洋介