学生時代の旧友と
2年ぶりに再開した話です。
きっかけは向こうからの
連絡でした。
いわく、
「久しぶりー、元気ー?
メシでもいこうぜー」
みたいな。
彼の名前はここでは
「H」としておきます。
僕はあまり人付き合いが
良い方ではありませんので
卒業後は誰とも
親交がない日々を
過ごしていました。
久しぶりに学校の友達と
会えることも
嬉しかったですし
単純に、
憧れの存在だったHが
連絡をくれたことも
とても嬉しかったです。
二人とも年齢は同じなので
当時は22歳でしたが、
彼はベースが学年で
一番うまくて
すでに現場も何本もこなし、
見た目も格好よく、
女性にもめちゃくちゃ人気のあって
漫画の中から出てきたような
好人物でした。
※※※
日にちを合わせて
落ち合った僕らは
ご飯を食べたり、
Hの家で、
ベース談義に花を咲かせ
楽しい時間を
過ごしていたんですが、
そろそろ夜も
ふけてきて
ほどよい時間に
なったころ…
おもむろにHが
口を開きました。
「俺、今すごい良いバイトをやってて、
めちゃくちゃ稼げてるんだよ」
聞けばHは
毎月30万円くらいの
収入をそのバイトで稼いで
いるそうです。
さらに
Hだけではなく
僕が通っていた学校の
楽器の上級者グループが
ほぼほぼ参加している
ようでした。
業務の内容を詳しくきくと、
カタログショッピングの
カタログ配りで、
このカタログに掲載されている
商品が特別なルートで
入手されたものばかりのため
とにかく値段が安く
路上でカタログを配っているだけで
皆からありがたがられるとか。
そして、このバイトの
すごいところは、
街中で自分が配った
そのカタログをもとに
商品の注文が入った場合、
注文金額の15%程度が
僕にも入るところでした。
これだけでも十分すごいのですが
さらに上位の雇用形態を望むなら
このカタログを配るバイトを
他の友人、知人に紹介すると
紹介料として10万を超える
謝礼が支払われる仕組みと
なっているとのことです。
ただし、この紹介料を
入手するための上位会員には
最初に加入料が必要らしく
これに30万円の
お金がかかるようでした。
カタログだけを配る普通の会員は
注文マージンも数パーセントと
低いものになってしまうために
カタログを配って
低額注文マージンを
受け取って細く堅実に稼ぐか、
カタログを配って
高額注文マージンを受け取りつつ
さらにバイトの紹介料ももらって
がっつり稼ぐか、
おすすめなのは絶対に上位会員だと
Hは強く強く、熱弁を振います。
どうもすでに同級生でも
数名の方がこのバイトを
紹介者料有りの形態で
始めているようでした。
幸運なことに
近日中に千葉のほうで
このバイトの説明会が
開催されるらしいのですが、
このバイトはすごく人気で
会場もすぐに埋まってしまうために
申しこむなら早いほうがいい、
確かもう空きは1、2枠くらい
だったと思う。
今から確認してあげるよ。
Hはそういって、このバイトの
上司だという先輩に
電話をかけてわざわざ
確認をしてくれました。
が、電話を切った彼は
無情にも僕に告げます。
「ごめん、もう枠いっぱいだって」
僕が少なからずショックを
うけていたのを見てか、
親切な彼は言います。
「なんとかねじ込めないか確認してやるよ」
ふたたび上司らしき人間に
電話をかけ、
もう1枠だけあかないか
粘り強く交渉をしてくれるH。
そしてお願いが何往復かあって、
ちょっと確認の待ち時間があって
非常に苦労をしてくれている
様子が伝わってきます。
そして交渉の甲斐あってか
僕も奇跡的に説明会に
参加できることになりました。
「H、ありがとう。」
僕は心からお礼を彼に告げ、
後日二人で説明会の会場へと
向かうことにしました。
洋介の写メ日記
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学生時代の友人と再会した話 洋介洋介