出会い系サイトの
中を見たお話しの最後です。
僕らは実際にユーザーが
サイトの用意した女の子と
やりとりをしている
データを閲覧していくことに
なりました。
今思うと即日研修で
内部情報とか
よく見せるなと
思ったりもしますが
20数年前のSNSは
ブログ全盛期で、
YouTubeもLINEも
まだこの世に存在して
いなかったり、
いわゆる
飲食店バイトテロとか
そういう事件もまだまだ
先のことでしたので
まだどこか牧歌的な
時代だったことも
背景にあったかと
思います。
内部データを見て
まず一番びっくりしたのは
超ヘビーユーザーの
課金額でした。
メッセージ履歴の右には
現在のユーザーの
課金額が出るシステム
だったんですが、
重課金者ともなると
計100万超えの課金は
当たり前で、
数百万クラスも
ちらほら見受けられます。
この金額がすべて
風俗でもなく、
キャバクラでもなく、
推し活でもなく
(この単語もありませんでした)
この世に存在すらしていない
架空の女性に対して
支払われている事実に
非常に驚愕したことを
覚えています。
研修参加者の一人より
「これって実際の女性も
サイトにいるんですか?」
という質問が飛んでいましたが、
リーダー曰く、
「 普通の女性も
登録することはできますが
それを上回る勢いでこちらが
架空の女性を登録し続けているので
運が良い人は本当に出会えるかも
しれませんね」
…という、
希望があるんだかないんだか
わからない返事をして
いたのが印象的でした。
しかし実際のメールの
やりとりを見ていくと
ユーザー側のメールも
なかなかパンチがきいており
初コンタクトの女性に対して
いきなり
「今から会えますか?」
とか送ってるのは
まだ会話ができているほうで、
開口一番に
「週に何回オ○ニーするの?」
とか、
「何カップですか?」
とか、
もうそんなのばっかり。
…というかもっともっと
酷いのも全然あって。
見ているだけで
げんなりするような
メールが山ほど
送りつけられてきており
眺めていくにつれ
非常に気分が下がったのを
覚えています。
確かに1通がすごい経費なのは
よくわかるんですが、
人と人が初コンタクト
する話題にはとても
見えないものばかりで。
研修ではそうしたメールに対し、
ケーススタディを用いて
どうしたら会話を長く続けて
ラリーを増やせるかといった
テクニックを学び、
夕方ころに解散となりました。
なお、格安で入れる
寮があったらしく
希望者にはこのあと
説明会を行います…
という話もあったんですが
そちらは僕は参加せずに
帰ってしまったので
詳細は不明です。
そしてその翌日、
本来であれば
初の出勤日となるはず
だったんですが、
冒頭で記載したように
僕は結局このツマツマで
勤務することは
ありませんでした。
理由は、
いろいろなんですが、
顔も見たことがない
同性のド直球な性欲を
丸ごとぶつけられるような
メールを一気に見たのも、
精神的に未熟だった僕には
少々刺激が強かったらしく
これならコンビニで
働いたほうがいいかな…と
当時は考えたようです。
後日談として、
最後に驚いたのは、
この時僕らに研修を行った
リーダーは
当時は全然知らない人だと
思っていたんですが、
後に、超メジャーなバンドの
ドラムだったことが判明して、
ものすごくびっくりしました。
(音楽雑誌で見ました)
当然ながら音源自体は僕も
何度も聞いたことがあって。
本当にあんなところで
なにやってたんだろう。
ていうかサイン欲しかったな。
…と、その時は思ったものです。
今はここまであからさまな
「出会い系」サイトは
ほぼ撲滅されたでしょうし
もっと良質なアプリが
たくさん存在しています。
平成中期にあった昔の
お話しでした。
洋介の写メ日記
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出会い系サイトの内部データを見たお話し 洋介洋介