フロスティは雪だるま
陽気で楽しいやつだった
トウモロコシのパイプに
ボタンのお鼻
石炭でできた二つのおめめ
フロスティは雪だるま
彼は雪でできていて
おとぎ話の住人だ
でも子供たちは知っている
いつか彼が動き出すのを
魔法だったに違いない
子供たちが見つけた古いシルクハット
フロスティの頭に乗せたら
彼は踊り出したんだ
フロスティは雪だるま
彼は確かに生きていた
子供たちが言うには
彼は笑って
そして彼らと一緒に遊んだ
君や僕と同じようにね
フロスティは雪だるま
あの日は日差しが強かった
だから彼はこう言ったんだ
「走って遊ぼう。僕が溶けちゃう前に。」
村へ行くとホウキを持って
あちこち走って駆け回って
「できるものなら捕まえてごらん」
彼は得意げに言ったんだ
フロスティは子供たちを
街の通りへ連れて行った
交通整理のお巡りさんが
「止まりなさい!」って言ったから
彼は少しだけ立ち止まったよ
フロスティは雪だるま
彼は急がなきゃいけなかった
彼はサヨナラと手を振った
「泣かないで。またいつか必ず戻ってくるよ。」
ドスンドスンと去って行く
フロスティが去って行く
ドスンドスンと去って行く
雪の丘の向こうへ去って行く
相馬みさきの写メ日記
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フロスティは雪だるま相馬みさき