【恋愛時計 第13話「初めての嘘」】- 弦之介(女性用風俗amen)東京/性感マッサージ

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  • 恋愛時計 第13話「初めての嘘」
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    第13話 初めての嘘

    6月26日、祥子は中目黒のblue jazzにいた。
    家族はピアノの演奏会に行ったと思っている。


    「かず、26日なんだけど知り合いの先生がソロで演奏会をやるらしいから行ってくるね」

    「そうなんだ、有名な人なの?」

    「うーん、そんなに有名じゃないけど今度やるところは300人ぐらいのところかな」

    「そっか、じゃ楽しんでおいで」

    「ありがとう、おかずは作り置きしておくからね」

    「オッケー!」


    祥子は悩んだ。これはライブではなく演奏会だと言い聞かせては、あの貫くような快感はライブと同じよね、と。


    もうライブには行かないと決めた25歳の時の約束を破って嘘をついて奏の演奏会に行くことは許されるのか・・・。


    言葉を飲み込む日々が10日ほど続いた。当日まであと3日というところでやっと和夫に話せたのだった。


    その日は祥子が初めて和夫に嘘をついた日になった。


    ワインを飲んで久し振りの空間を味わう。バンドと違って圧はないが、繊細な音が心地いい。


    奏の出番までにまだあと3人いるのたが、もう胸の高鳴りは最高潮に達しようとしていた。同じ場所に奏がいると思うだけで息が苦しくなる。

    (こんなことあるの?私に)

    祥子は自分が信じられなかったが、この時間をたまらなく恋しく思っていた自分がいるのは確かだった。


    次が奏の出番、ステージにギターを抱えて奏が出てきた。セッティング中のためまだ暗い。シルエットだけで顔はよく見えない。


    (あの人が奏さんなのね)


    祥子の期待感はこれ以上ないところまで高まっている。早く、早く聴きたい。


    パッと照明がつき奏の顔がハッキリと見えた。


    (はっ!なんて綺麗な顔立ちなの!)


    祥子は思わず声が出てしまった。そして出来ればもっと地味でダサい人であって欲しかったとも思った。


    (もう、止められないわ)


    演奏が始まり祥子は何度も貫かれた。
    何度も何度も。


    終了後、呆然としたままステージを見つめる姿がそこにあった。新しい何かが確実に祥子の中で動き始めようとしていた。


    しばらくして現実に戻った祥子は、奏のいる物販席に向かった。

    「とても良かったです」

    そう言うのが精一杯だった。


    「ありがとうございます、初めてお目にかかりますよね?」

    「はい、初めてです」

    「とても嬉しいです、また是非来てくださいね」

    奏が握手しようとした時、最初手を引いてしまったが、奏のえ?という表情を見てすかさず手を差し出した。

    (ああ、何て男らしくて温かい手なんだろう)

    その場にいると何か得たいの知れないものに犯されそうで、祥子は一礼して急いで会場を後にした。


    帰り道、考えていた。


    (こんな感情はかずに対してどうなんだろう。単なる憧れ、アイドルみたいなものだとすれば許されるよね)


    祥子にとって奏は手の届かないところにいる人だということはわかっていた。


    (そうよね、ちょっとした熱よ)


    そう思うと少し気が楽になった。


    「ただいまー」


    祥子はいつものように家族の元に戻った。




    ===========

    この物語は以前ポストした内容が元になっています。



    結婚して家庭に入った時

    無意識に止めてしまった



    恋愛時計



    再び動かしたのが

    女風だとするなら



    電池を入れ換えた

    若いセラピストと

    恋愛年齢は同世代



    その時だけは

    動き続けてる

    時計を隠して



    臆することなく

    恋をしましょう



    その時あなたは

    自分が思うより

    かわいいんです



    気付いてますか?




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