【恋愛時計 第3話「解散」】- 弦之介(amen)- 性感マッサージ

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  • 恋愛時計 第3話「解散」
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    恋愛時計 第3話「解散」

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    第3話 解散

    5年の月日が流れた。

    12月24日世の中がクリスマス一色の中、祥子は25歳の誕生日に下北沢でのSWEET ANGERのライブに来ていた。いつものように彼らの音を受け止めていたが、バースデーライブはやはり特別。酔いも回って最高の夜を過ごしていた、あのMCまでは。


    ライブも終盤、歓声が止むのを待ってボーカルのKEIが話し始めた。


    「俺たちSWEET ANGERは今日のライブをもって解散します」


    え?


    祥子は意味がわからなかった。

    え?何のこと?


    「えっーーーー!!!」
    「なんで???」
    「いやだー!!!」


    この5年間で数十人にまで減っていたファンの間から驚きと嘆きの声がステージに向かって放たれた。


    男女が別れる時、夫婦が離婚する時、その本当の理由は二人にしかわからないように、バンド内で何が起きて何が解散への道を進ませてしまったのか真実はわからない。ただ祥子にとっては生きる糧であり当たり前の存在だったバンドがなくなることが信じられなかった。とてもすぐには受け入れられなかったのだ。


    MCの後のことはほとんど覚えていない。ただ覚えているのは手にしたハンカチがびしょ濡れになっていたことだけ。


    理由を知りたかった。でもそんなことメンバーが話してくれる訳がない。終演後、メンバーに詰め寄るファンを遠目に見ながらポッカリと空いた穴を塞ぐかのように胸に手を当てていた。


    SHINはどうやら他のバンドでギターを続けるらしい。他のメンバーも何らかの形で音楽を続けると言っているようだった。


    いつも気さくなSHIGEだけが何も話さない。フロアを見渡して祥子の存在に気付いてからは時折彼女の方に視線を向けていた。

    閉店の時間が迫り、スタッフが客出しを始めた。SHIGEが祥子の元にやって来る。


    「この後少し時間ある?」

    「え?あ、はい、少しなら」

    解散の真実を話してくれるのだろうか。そう思って返事をした。

    「この先のコンビニの裏手の駐車場で待ってて。すぐに行くから」


    ============

    この物語は以前ポストした内容が元になっています。



    結婚して家庭に入った時

    無意識に止めてしまった



    恋愛時計



    再び動かしたのが

    女風だとするなら



    電池を入れ換えた

    若いセラピストと

    恋愛年齢は同世代



    その時だけは

    動き続けてる

    時計を隠して



    臆することなく

    恋をしましょう



    その時あなたは

    自分が思うより

    かわいいんです



    気付いてますか?




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