『山芋の教訓⑤』
来た山道を大量の山芋を持って降りる。おれが持つ。殆ど掘ったおれが持っている。
そういえば、と道中聞いてみた。
「随分大きな山を持ってるんですね?」
「誰が?」
は?
いや、あなたが?
「誰の山かは知らん」
は?
は?
はー???
盗人やんか!!
あんた盗人やんか!!
そしておれ同罪やんか!!
男は言った。
「親戚の山だから問題ない」
果てしなく疑わしいが、もはやそれを自分の中の免罪符にするしかなかった。
『山芋の教訓⑥』につづく
弦之介の写メ日記
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『山芋の教訓⑤』弦之介