プロローグ
夢を抱えた20代の夏。
金髪長髪で固定の仕事にはつけず、生きるために職安の前で日雇いを待つ日々。
仕事がなく帰ろうとしたある日、汚れたジーンズにジャイアンツ帽をかぶった50代ぐらいの男性が近寄ってきた。
「仕事ならあるよ」
その日、僕は奇妙な暑い夏の1日を過ごすことになった。
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短編ノンフィクションストーリー
【山芋の教訓】全8話
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『山芋の教訓①』
男はこう言った。
「山芋堀りに行くぞ!」
は?
山芋?
「稼げるんですか?」
「ああ、もちろん」
怪しすぎる男ではあるが、その時の僕の財布の中身は NOと言うにはあまりにも軽すぎた。
30分ほど自転車で移動すると古い農家の家に到着した。どうやら男の家らしくスタスタと中に入っていった。
そしてスコップとビニール袋を持って出てきた。
「これで掘りにいくぞ」
うわー、やっぱマジで行くんだな。。。
そこからまた数十分自転車を走らせ、いよいよ民家がほとんどないところまできた。
正直なところ少し怖さもありつつも自転車を停めて更に山の中に入っていく。
草を掻き分けながら奥へ奥へと進む。
ぶ~ん、ぶ~ん、
くわっ!虫!
にょろにょろ
うわー!蛇!
うおー!!!!!
蜂!スズメバチじゃないんか???
見ず知らずの50代男とのこの状況は普通ならあり得ない。
だがしかし。
もうここまで来たら後戻りは出来ない、GO AHEAD!!!そんなROCKな感覚だった。
もしかすると馬鹿げた好奇心も働いていたかもしれない。
山芋の教訓②に続く
弦之介の写メ日記
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『山芋の教訓①』弦之介