「らしいよ永瀬?」
指の隙間から見えた永瀬君は、まるで目の前に豪華な御膳を差し出されたみたいに食い入るように私を見つめていた。
「課長、なにしてるんですか」
振り絞って出した一言は、彼らしい正義感に満ちたものだった。
「山本さん、嫌がってるじゃ……」
薄い筋肉のついた足が慎重に、こちらへ向かってくる。近づくにつれ黒い下着越しでもはっきりとわかるほどに膨張した股間が見えた。
「もっと近くに来いよ」
課長が、あくまで落ち着いた口調で永瀬君を手招く。
「嫌だって……さっきから、ずっと……言ってるのに……」
佐々木課長の言うこと、すること、全てを否定したかった。
だって私は貞操のしっかりした大人だ。盛りのついた、動物なんかじゃない。こんな状況全然嬉しくないし、永瀬君に勘違いされたくない。
「ねぇ、山本さん、こう言ってるじゃないですか。いい加減そのへんに……」
私を案じて近づいてきた永瀬君が、急に黙った。なぜだか妙に呼吸をはずませている。いつもは気だるげな二重のまぶたが、開いて見えた。
「永瀬……」
心なしかうれしそうに課長がつぶやく。
そしてゆっくり上体を起こすと、慣れた手つきで音もたてずに私のストッキングを縦に裂いた。
「っ……!」
縫い目を避けるように、不恰好な大きな穴が空いた。
課長が、再び私の上半身におおいかぶさる。そのまま大きく押し広げられた私のふくらはぎに、軽く両ひざをのせてくる。
私は仰向けのまま脚を左右へと開かされ、局部だけを前へと突き出しような体勢になった。
そこへと、永瀬君が慎重に近づいてくる。
課長の身体が邪魔で、何が起きているかは見えない。
だが、私の下半身全体が、永瀬君の近づいてくる気配をとらえていた。
身体の奥でなにかが疼く。
くい、と、レースのショーツに永瀬君の指がかけられる感触。
続いて、局部を守るショーツが横へずらされていく。
「あ、ああ…………」
どうして。
ついさっきまで、何も良くなんてなかったはずなのに。
だがそれでも確かに、私の奥底から湿った空気が漏れていく感触があった。
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以上、第一話の導入でした。
この続き約5,000文字を含めた「同僚以上、主従未満」第1話本編ですが……
なんと!
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(詳しくは本日Twitterにて告知)
いやいやバナー広告エロ漫画かよ!と言われそうですが……
まぁちょっとそんな感じですよね。
♯エロ小説が読めるハッシュタグ とかつけたらもう完全に。
なんにせよ、性感のオプションで同人エロ小説(電子)を頒布するという業界でも稀有な試み、楽しんで頂けたらと思います。
お楽しみに。
※なお有料オプションということで、官能小説朗読キャスで読みあげたものから少しだけ加筆修正を行いました
瀬戸口めぐるの写メ日記
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同僚以上、主従未満 第1話 -6/11-瀬戸口めぐる