【同僚以上、主従未満 第1話 -5/11-】- 瀬戸口めぐる(amen)- 性感マッサージ

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瀬戸口めぐる

瀬戸口めぐる  (30)

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  • 同僚以上、主従未満 第1話 -5/11-
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    同僚以上、主従未満 第1話 -5/11-

     とっさに何かを言ってやろうとして課長の顔を見据える。
     しかし彼は後ろめたさなど微塵もない澄んだ瞳で、真っ直ぐとこちらを見返していた。

    「ホテル入った時点でさ、こうなるのわかってたでしょ?」
     学生のようにシニカルな笑みを浮かべる課長が、なぜかそのとき初めて男の人らしく見えた。見えてしまった。

    「それは、そう、ですけど」
     この人はおかしい。

     おかしいことを言っている。

     頭ではそう感じているはずなのに、なぜか何も言い返せない。

    「ほら、横になって」
     優しく両肩に体重をかけられるだけで、私の身体はいとも簡単にベッドに落ちた。

    「でもブラウス、シワになるから」
     やっと口から出たアホみたいな言い訳に、佐々木課長が優しく苦笑する。
    「そうだね」
     ブラウスのボタンが外されていく。

    「あっ……」
     永瀬くんから飲み会の連絡が来たあの夜に買った、黒いレースの下着が胸元から覗く。

    「大人っぽいね? 似合ってるよ」

    「やめて、ください」
     息を切らしながら、なんとかそう言った。

     すると課長が何を察したのか、その手を止めた。
     そしてそのまま黙って私を見下ろしていた。

    「やっぱ永瀬がいいんだ?」
    「はい……」

     肩で呼吸をしながら、頷いた。
    「そっか」

     課長は深く納得したように深呼吸をすると、ふたたび私の上に覆い被さってきた。

     突然、空を雨雲に塞がれたようだった。

    「ちょっと、なにっ」
     とっさに脚を閉じようとしたが、がっしりとした膝が先回りして、すでに私の太ももの間を占拠していた。

    「え、なん、で」
     困惑する私を観察しながら、課長の人差し指が、汗を吸って湿ったストッキングをなぞっていく。アルコールのせいで敏感になった太ももの筋肉が、私の意思と関係なくビクビクと震える。
     そして太もものつけ根までたどり着いた指先は、タイトスカートの中で行ったり来たりを繰り返す。

    「やめっ、て、ください」
     下半身から直接、痺れるような感覚が脳にひびいてくる。

     このままだと本当にヤバい。

     上体を起こそうと試みたが、無駄だった。
     課長は私の抵抗など気にもとめず、タイトスカートを裏返しにめくりあげていく。
    「なにして……」
     そのまま腰までスカートの裾をまくられ、ストッキングをまとっただけの下半身が丸出しになった。

    「なにってほら、永瀬が良いんだろ?」

     課長が、ベッドの上に立てた柱のような両ひざを左右に広げ、私の股関節を押し広げていく。

    「そんな……え、あっ……」
     そのときだった。私に覆いかぶさる課長の肩越しに、目が合ってしまった。

     いつのまにかシャワーを終えていた、下着姿の永瀬君と。

    「だめっ……!」
     私はとっさに両手で顔をおおい隠した。だが顔だけ隠しても、大事なものはなに一つ隠せていない。

     結果、大きく広げられた自分の股間を意識せざるを得ない姿になり、かえって羞恥心がつのった。

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    (1130文字)




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