小学生の頃の教科書で読んだ不思議な小説
人生でずっとその小説が気になっていました
その小説の覚えている限りのあらすじは
ある小学生が電車に乗るために切符を購入し
改札を通り電車に乗るのですが
到着駅で改札を出る前に
その切符をなくしてしまいます
少年が思い出すのは、誰かが言った
「切符をなくすと改札から出られない」
という言葉
改札から出られなくなるのは困るので
少年は必死で切符を探しますが
どこを探しても見当たりません
切符をなくしてしまった、どうしよう
一生ここからでられないかもしれない
そんな不安が彼を襲い
不安で不安でどうしようもなくなり
その不安に吸い込まれるように
駅の中の暗い場所、闇の中へ
小学生が消えていくという話です
小学生の頃この小説を読んだ僕は
その不吉なラストにゾッとしました
また切符をなくしてしまったことが
どうしようも無く不安になる気持に
とても共感したのです
大人から見るとなんだそんな事かと言うことも
幼い頃はとても取り返しが付かないような
大事に感じる事があります
そんなどうしようもない不安を
自分で感じた事もあったので
時は過ぎ自分が大人になった今でも
その小説が心にずっとこびりついていました
僕の記憶の中に残るあらすじがぼんやりしているので
本当にそのような小説があったのかどうか
自分が見た夢だったのではないか
妄想の中の事をいつまでも覚えているのではないか
その小説について何も確証がないまま
今まで生きてきました
令和7年2月、ふと思い立ち
その小説を本気で探してみると、あったんです
その小説は黒井千次さん作の「子供のいる駅」
短編小説で今でもKindleで読めるそうです
今僕は、この小説を読んでみようと思います
記憶の中の物語は果たしてそのままなのか
大人、中年になった今
その小説を読んで何を感じるのか
今からとても楽しみです