たとえば
喉が渇いて塩水を飲むように
少し楽になる気がしても
結局はもっと苦しくなることがある
それでも人は何かを求めてしまう
”生きる”というのは
そうした矛盾を抱えた営みだ
『ノルウェイの森』は
そんな“どうしようもなさ”を描いた物語
死にたくなるほどの孤独も
誰かと触れ合うことで
ほんの少しだけまぎれることがある
だけどそれが必ずしも
救いになるとは限らないし
むしろそのつながりが
さらに深い喪失を生むこともある
特にこの作品における”セックス”は
ただの快楽じゃなく
寂しさや不安を埋める手段として描かれる
要するにただの”痛み止め”であり
問題の先送りにしかならないのだ
だけどそれを虚しいと思うのか
美しいと思うのかは
捉え方次第なんだと思った
そういえばこの小説
1000万部以上売れたらしい
しかし誰もが手に取って読めるほど
簡単な話には見えないし
むしろ複数回読んで
ようやく自分なりの解釈が見つかるくらい
難解な物語に感じてしまった
だけどそれくらいのものの方が
個人的には読んでて面白い
暑さで眠れぬ夜のお供として
ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか
柚木の写メ日記
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ただの痛み止め柚木