【ありがとうという言葉】- 九条 悠玖(Jewel Box)- 性感マッサージ

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九条 悠玖

九条 悠玖  (28)

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  • ありがとうという言葉
    九条 悠玖
    ありがとうという言葉


    「ありがとう」は
    何度伝えてもいい言葉だと思っていた


    どんな些細なことでも
    大したことないと言われるようなことでも
    この言葉を相手に伝わる方法で伝えるのと
    思うだけで何も言わないのとでは全然違うと

    ずっとそう思っていた

    だから僕はきっと
    人よりも「ありがとう」を伝える回数が
    すごく多い人生を歩んできたと思います

    だってこの言葉を言われたら
    やっぱり
    結局
    シンプルにうれしい



    人から「ありがとう」を言われる度
    僕の存在が認められた気がして
    間違っていないと言われた気がして
    何気ない行動を見ていてくれる
    誰かがいると知って
    心が優しく温まる瞬間しかなかった



    だから僕も
    誰かに対してそうでありたかった
    
僕にくれるどんな小さな優しさも
    見過ごすことのない自分で居続けたかった



    ある日
    いつも通りのいろんな「ありがとう」を
    口にしていたら

    ある人に突然こう言われました

    「ありがとうって
    たまに寂しい言葉に聞こえるんだ」



    「今の寂しい言い方じゃない?」




    正直
    その時は意味が分からなかった
    
「ありがとう」を伝えたくなるときの
    感情と"寂しい"という感情なんて

    真逆の位置に
    あるようなものじゃないですか?


    「僕のありがとうはそう聞こえるの?」

    
「そっか
    でも違うよ
    ただ感謝してるだけだよ」



    なんてそのときは返したけれど
    あれからずっとその言葉が頭に浮かぶ

    寂しいと思わせてしまうような
    僕のありがとうって
    一体なんなんだろう

    何がそう思わせてしまうんだろうって




    「ありがとう」を伝えたくなるとき
    それは人に何かをしてもらったり
    気遣ってもらったとき
    心配させてしまったとき
    相手からもらう何かに対して
    自分の心が優しくなる瞬間だけだと
    思っていた



    「ありがとう」を伝える回数が
    多い人生を歩んでこれたのは
    その回数分だけ僕に優しくしてくれる人が
    私の周りには溢れていたということで
    特に友達には本当に恵まれてきたと思う



    それと学生時代の学校の先生たちにも



    だけど
    ふと頭によぎった


    確実に
    僕の「ありがとう」にはもう1種類ある

    



    「ありがとう」は
    "諦め"でもあるんだなって




    人と話していると「そうじゃないんだけどな」と思ってしまう瞬間
    「それは言われたくなかったな」と思う瞬間
    きっと誰しもあると思います


    みんな
    そういうときはどうしているのでしょうか?


    はっきりと言える人もいれば
    きっと日本人の多くは
    それとなく受け流すのですかね


    すこしでも嫌な思いをしたら
    その人との関係はそれっきりで
    距離を取る人もいるのかもしれない
    それ以外にもいろいろとあるだろうけど




    僕にとっては「ありがとう」が
    きっとその場の切り抜け方だった


    というより
    自分の中で何かをきっかけにして
    相手との間にシャッターを下ろす瞬間
    壁を作る瞬間
    距離を取る瞬間
    そんなときに出る言葉が


    「そっか
    たしかに
    ありがとうね〜」なんて
    いつもそうだった



    あぁ
    だから僕は「ありがとう」が多いんだ

    
人とそれ以上に言葉を交わすことを
    避けるから



    言葉が好きだ
    とか
    人と関わることは得意だ
    なんて言いながら
    ずっと諦め続けているんだろうな

     
    
分かり合えるなんて
    分かってもらえるなんて
    分かってもらいたいなんて
    どれも全部無駄な感情だなと




    「ありがとう」は
    とても便利な言葉

    
この一言で大抵の話を
    終わらせることができる


    だけれどきっと
    相手を不快な気持ちにさせることは
    ないだろう
    と僕は思っていたから
    全てをこの言葉に託していたんだろうな


    あたたかそうに見える言葉を
    いいように使って



    それを初めてそんな風に言われたから
    きっと本当はドキッとしたんだろう




    これまでの人生
    誰にも指摘されなかったことだった
    もしかすると思っていても
    言わないでいてくれた人も
    いたかもしれないけれど

    僕は誰にも知られていないと
    思っていたから


    自分でさえも気づいていなかった






    出会う人みんなと
    親しくなりたいと思う人みんなと
    大切な人たちと
    全員と
    全てを分かり合えたらいいのに


    誰かや何かを否定することなく
    理解と共感で全てを
    終わらせることができたらいいのに



    大切な人たちとの会話で
    違和感を持ちたくないから
    それ以上聞きたくない
    知りたくない
    もう大丈夫
    と思ってしまうから


    だから僕はその度に「ありがとう」を
    使ってしまう

    「聞いてくれてありがとう」
    
「教えてくれてありがとう」
    
「気にしてくれてありがとう」
    
「心配してくれてありがとう」



    
僕がこれまで伝えてきた
    「ありがとう」の中の

    一体何回が本物だったんだろう

    何回は悲しかったんだろう

    何回
    それ以上話し合うことを

    伝えることを諦めてきてしまったんだろう

    自分でも分からなくなってしまう
    
何が本当で何が嘘なのか
    分からなくなってしまう


    相手を傷つけないために
    ではなくて

    自分が傷つかないために
    だったんだな



    おっと!
    長くなってしまった
    今日はこの辺にしておきます!




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