みなさん、焼き芋セラピストの洋平です。
韓国の甘辛芋に続き、今回は台湾のサツマイモ文化についてお届けします。
【台湾芋との感動の出会い】
台北の士林夜市で出会った「地瓜」(サツマイモ)は、まさに芋の芸術品でした。
「烤地瓜」(焼き芋)の屋台で出会った林さんは、三代にわたって焼き芋を作り続けているそうです。
使用している品種は「台農57号」。蜜のような甘みと、しっとりとした食感が特徴的な台湾独自の品種です。
【伝統的な焼き方】
台湾の焼き芋は、「炭焼き」と「石焼き」の2種類が主流です。
特に印象的だったのは、「石焼き」の手法。溶岩石を熱し、その上に芋を並べて焼く方法で、芋の芯までじっくりと熱が通ります。
焼き上がりの見極めは、芋から染み出る蜜。その量と色で、最適な焼き加減を判断するのです。
【多様な品種】
台湾には実に多くの芋品種があります。オレンジ色の「台農66号」、紫色の「台農73号」、白色の「台農62号」など、色とりどりの品種が栽培されています。
特に注目すべきは、それぞれの品種に合わせた最適な調理法が確立されていること。例えば、「台農66号」は焼き芋に、「台農73号」はスイーツ用に、といった具合です。
【スイーツ文化との融合】 台湾の芋スイーツは、世界でも類を見ない発展を遂げています。「地瓜球」(サツマイモボール)は、外はサクサク、中はもちもちの人気スナック。
「地瓜薯條」(芋フライ)は、細切りにした芋を揚げた斬新なおやつです。
中でも「地瓜豆花」(芋のトウファ)は、伝統的な豆花にサツマイモを組み合わせた新感覚デザート。私が特に感動したのは、その滑らかな食感と上品な甘さでした。
【朝食文化の一角】
台北の朝食屋では、「地瓜粥」(サツマイモのお粥)が定番メニューとして親しまれています。
サツマイモを細かく刻んで煮込んだお粥は、優しい甘みと食感で体を温めてくれます。最近では、サツマイモペーストを使った蒸しパンも人気です。
【環境への配慮】
台湾の芋農家は、環境に配慮した栽培方法を積極的に取り入れています。
有機栽培はもちろん、芋づるを家畜の飼料として活用したり、規格外の芋を加工品に活用したりと、無駄のない循環型農業を実践しています。
【新世代の挑戦】
若手農家の中には、水耕栽培でサツマイモを育てる試みも。土を使わない栽培により、より安定した品質の芋を生産できるそうです。
また、AIを活用した生育管理システムの開発も進められており、伝統農業の近代化が着実に進んでいます。
【夜市文化との結びつき】
台湾の夜市では、焼き芋だけでなく、様々な芋スイーツが並びます。
「地瓜湯圓」(芋の白玉団子)や「地瓜牛奶」(芋のミルクドリンク)など、創意工夫を凝らしたメニューが次々と生まれています。
夜市は、新しい芋料理のテストマーケティングの場としても機能しているのです。
私たち焼き芋セラピストにとって、台湾は芋の可能性を無限に感じさせてくれる場所です。
伝統を大切にしながらも、常に新しい表現方法を探求する姿勢。
それは、私たちの焼き芋への向き合い方にも大きな示唆を与えてくれます。
次回は、アジアの芋ロードのまとめです。
それでは、台湾芋の香り高き思い出とともに、また会いましょう。