みなさん、焼き芋セラピストの洋平です。
今日はインドネシアのサツマイモ文化についてお話しします。
【インドネシアのサツマイモとの出会い】
インドネシアのジャワ島に降り立った時、私の焼き芋人生は大きく変わりました。
市場で出会った紫がかった濃いオレンジ色のサツマイモ。現地では「ウビ・ジャラル」と呼ばれるその芋は、日本の品種とは一線を画す独特の甘みを持っています。
【ウビ・ジャラルの特徴】
標高800メートルを超える高原地帯で栽培される「ウビ・ジャラル」は、昼夜の寒暖差によってデンプンが糖に変わりやすい特徴があります。
私が訪れたマラン近郊の農家では、収穫後2週間ほど室温で寝かせることで、さらに甘みを引き出すという伝統的な熟成方法を守り続けていました。
【伝統的な調理法】
インドネシアの焼き芋は、日本のような石焼きではなく、「バカル」と呼ばれる直火焼きが一般的です。ココナッツの殻を燃料として使うことで、芋の中心までじっくりと火が通り、香ばしさが増します。
私が感動したのは、皮が真っ黒に焦げているのに、中身はしっとりとクリーミー。まるで和菓子のような上品な口どけです。
【現地の知恵】
市場のおばあさんから教えてもらった裏技があります。焼き上がりの5分前に、ココナッツミルクを薄く塗ること。
すると、皮の部分にほんのりとトロピカルな風味が宿り、南国ならではの焼き芋に仕上がるのです。
【日常の風景】
インドネシアの家庭では、焼き芋は「ジャジャナン」と呼ばれるおやつの時
間の主役。夕暮れ時になると、路地裏から焼き芋売りの「ウビ・バカル!」という声が響き、子どもたちが駆け寄る光景が日常的に見られます。値段も手頃で、大きな芋一本が日本円で100円程度。
【共食の文化】
私が特に興味深く感じたのは、インドネシアの焼き芋文化における「共食」の精神です。
焼き芋売りの周りには必ず人だかりができ、その場で熱々の焼き芋をシェアして食べる習慣があります。日本の焼き芋文化が「個食」的なのに対し、より社交的な食べ方が根付いているのです。
【多様なアレンジ】
インドネシアでは焼き芋の食べ方にも独自の進化が見られます。
バナナの葉に包んで蒸し焼きにする「ウビ・クコス」や、ココナッツシュガーをまぶした「ウビ・グラ」など、日本では見られないアレンジも豊富です。
私たち焼き芋セラピストが注目すべきは、この多様な調理法と食べ方にあります。
焼き芋は単なる食べ物ではなく、人々の暮らしに寄り添い、コミュニティをつなぐ存在なのです。
次回は、タイの紫芋文化に迫ります。
アジアの芋ロード、まだまだ続きますよ。
それでは、芋の香りとともに、また会いましょう。