vol.3『実樹のドZINE』
小学校の時に図書館で読み漁った村上春樹ははっきり言ってエロ本だった。
インテリゾーンの卑猥な単語が一体何回使われてるのか数えたこともある(ヴァ○ナとか)
刺激があった。
特に海辺のカフカ。
とあるシーンだけ何度も繰り返し読んでしまった。
耳をすませばの天沢聖司(CV高橋一生)並みの図書カードに連続して記された僕の名前の違和感。
ごめんなさい、先生、性的好奇心によるものだったんです。
読書して偉いねって褒めないでください。
先生、言いたいけど言えないの。
思春期は恐ろしい。
小テストを速攻で片付けて、残りの時間はずっとエロい妄想をしてたり。
いま自分で口にして、なんら恥ずかしくは無い。
どんな偉人や聖人でも通ってきた道だと確信があるからだ。
むしろ偉人の方が絶対にスケベだ。
ガリレオはモテたくて、なんか、こう、頑張ったところもあると思う。
理科室に無駄に入り、男性と女性の身体が半々の人体模型を眺め、半分だけ手で覆い隠して全てが女性だった場合を妄想していた。
いっそのこと動き出してほしかった。
子供の頃の「学校の七不思議」って当時は恐ろしかったけどすごく楽しいものだった。
「誰もいないはずなのにピアノが鳴っている…」とかね。
社会に出たって七不思議があってもよいのではないか。
もちろん僕が立ち語るこの地下世界にだって、探せばきっとある。
ざっくばらんにーー実樹七不思議ーーと名付けて思い描いてみよう。
ーー実樹七不思議ーー
「入れたはずのパウダーがない…」
「確かめたはずのシャワーの温度が熱い…」
「さっきまで敬語だったはずなのに「も〜バカ〜」と言われている…」
「笑ってたはずなのに喘いでる…」
「バスタオルを敷いたはずなのに…」
「ラブホのはずなのに受付のお姉さまがやたら話しかけてくる…」
「またよろしくね♡って言ってくれたはずなのに…」
うん。
充分に怖い。
怪談だ。ロウソクの火を消していくやつだ。
女性の海という心霊スポットを漂う僕は、時折きっと顔つきが楳図かずおの絵柄みたいになってて、でもそれじゃあマズイから、いざ君と逢うって時にはそれを必死に少女漫画の絵柄に塗り直すも「グワシ‼︎」とか擬音までは消せずに残ってたりするだろう。
日々違う絵柄。
僕と君だけの出会いの画風。
巻頭カラースタートで華やかに始まる快楽の新連載。
描き進めると共に、読み進めてみたい。
作者、読者、僕らのラブラブコミック。
図書館には置いてもらえないやつ。
でも村上春樹も大概だったよ。
夢うつつでセックスする描写があるんだもんな。
嫌いじゃない、むしろ好き。
【東京/横浜萬天堂】実樹/みき
Twitter @miki_mantendo
実樹の写メ日記
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