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実樹の写メ日記

  • 第39回『実樹の禁断賞状?』
    実樹
    第39回『実樹の禁断賞状?』

    第39回『実樹の禁断賞状』



    2025年7月3日。



     



    予約がなければ、日中は家中で溶けてます



    未だに自分の身体に適したクーラーの温度を掴めてないってのに……



    自分探しの旅に出たら、設定温度をつかめるのでしょうか?



     



    部屋着のパジャマの生き残り状況にもよるかぁ。



    これから年齢を重ねるにあたって、どこかで浴衣や着物で年中過ごすような人間になりたいなんて野望があります。



     



    夏の香りにあやかって、こんな妄想をしてみました。



     



    ーーー



     



    表彰状「思春期の頃、夏祭りに行く時におばあちゃんが用意してくれた浴衣が“真っ白”で『幽霊じゃんw』とからかわれてしまった人へ」



     



    15歳の夏。



    クラスの仲良しの子たちと「来週のお祭りはみんなで浴衣で行こうね」と約束した。



     



    そのことを母に話したら、「それなら、おばあちゃんに相談してごらんよ」と言われた。



    祖母はとても喜んでくれて、「楽しみねえ」と、何度も繰り返していた。



     



    迎えた当日。



    畳の上に丁寧に置かれていた浴衣は、



    ほとんど柄のない、真っ白な生地だった。



    帯は、深い紺色。



    控えめで、静かで、まるで涼風のような装いだった。



     



    少し戸惑った。



    リナや他の子たちが着てくるであろう華やかな花柄と比べて、



    あまりに大人しすぎる気がして……。



     



    でも、帯を結び終えたあとに見せてくれた祖母の笑顔が、それはそれは嬉しそうで……私は、何も言えなかった。



     



    「ありがとう」と言って、その浴衣で家を出た。



     



    案の定だった。



     



    他の子たちの華やかな柄の浴衣に混じる私は、ひとりだけ、浮いていた。



    白すぎて、光を吸ってしまうような浴衣。



     



    みんながそれぞれに浴衣を褒め合う中、リナが私の浴衣を見て「めっちゃシンプル!」と感想を述べた。



    「シンプルすぎるよねw」……情けない一言が私の口から出た。



     



    縁日を固まって歩く。



    すれ違う浴衣の女の子たちも、みんなピンクや水色の花模様など、色とりどりの浴衣で歩いていた。



     



    同じクラスの男子たちが声をかけてきた。



    その中のひとりが私を見てからかうように言った。



    「お前、幽霊かよw」



     



    女の子たちも、「ちょっと、やめなよ〜w」なんて言いながら笑ってて、



    私も笑ってみせたけれど、周りの様子が胸にぐさっときて、



    その後、みんなと歩いていた記憶があまり残っていない。



     



    リナは“写ルンです”を持ってきて、みんなと写真を撮っていたけど、



    私が入るようにカメラを向けたのは、集合した時だけのように感じた。



     



    後ろをつきまとう男子たちが嫌で、



    「ちょっとトイレ行ってくる」と告げ、



    私はひとり離れ、神社の影の石段で座っていた。



     



    親に電話して帰ろうかと思ったけど、今の状態のまま祖母に会えば、私がしんどいことを悟られるかもしれない。



    花火が始まって縁日が終わるまで、やり過ごすことにした。



     



    そうこうしていると、屋台の間を抜けて、こちらに近づいてくる人影が見えた。



    タクヤくんだった。



    去年転校してきたタクヤくんとは、その年から同じクラスだったが、あまり話したことはなかった。



     



    タクヤくんは「何してるの?」と声をかけ、



    「休んでる」と答えると、「ひとりで来たの?」と聞いてきた。



    私は「リナたちと来たけど、人混みが苦手だからここにいる」と答えた。



    タクヤくんは「前住んでたとこのお祭りはもっと人が多いよ」と言った。



    「そんなの無理無理」と答えた。



     



    彼は何気なく、言ってくれた。



    「その浴衣、とても似合ってるよ」



     



    私は、何も言えなかった。



    「ありがとう」すら出てこなくて、



    ただ、うつむいて、頷いた。



    流れで買って手もつけてなかった焼きそばを取り出して、「一緒に食べる?」と誘った。



    タクヤくんは「いいの?」と嬉しそうにして、隣に座った。



     



    タクヤくんとは、それだけの出来事だった。



    でも、不思議と、今も残ってる。



    あの時の祭囃子、提灯の光、石段の苔の匂い。



     



    そして、タクヤくんの横顔。



     



    それから何年も経った。



     



    女風セラピストのプロフィールを見ていたら、



    なんだか、目元が似ている気がして。



    タクヤくんに。



    年齢もちょうど合いそうだった。



     



    だから、DMを送りました。



    「好きな浴衣の色はなんですか?」



     



    ちょっと変な質問だったと思います。でも、どうしても聞きたかった。



     



    そしたら、返ってきたのは、



    「真っ白な浴衣が似合う人が好きです」



    の一文でした。



     



    ……たぶん、私はその時点で泣いていたと思います。



    ああ、やっぱり、タクヤくんだ……って。



     



    すぐに予約しました。



    会いに行きました。



     



    違う人でした。



    めっちゃパリピ。



    なんならパネマジ。



    しかも、香水キツめ。



    千鳥のノブさんを意識した喋り方。



     



    ぜったい、タクヤくんじゃない。



     



    でも、タクヤくんじゃなくてよかったのかも、そう思った。



     



    ちゃっかり性感はうまかった。



    そして霊感があるらしい。



     



    「守護霊はひいおばあちゃんだね」と言われた時点で嘘だと分かった。



    私のひいおばあちゃんは、どっちも生きてるからだ。



     



    この日をきっかけにどうしてもタクヤくんのことが気になり、



    疎遠だった地元の子にそれとなく聞いてみたら、



    地元のヤンキーの先輩と結婚して離婚していたリナの再婚相手が、どうやらタクヤくんらしい。



     



    人生そんなもんだ。



    くそっ。



     



    あの頃よりも、白い浴衣が似合うようになった私を、



    誰かに褒めてもらいたいと思った。



     



    東京萬天堂・実樹



     



    ーーー



     



    これは僕の妄想だけど、



    [事実は小説よりも奇なり]



    ですよね?☺️



     



    子供の頃の夏の思い出、



    ぜひ聞かせてください



     



    はむはむたべます



     



    [X]



    @miki_mantendo