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実樹の写メ日記

  • 第23回『実樹の禁断賞状?』
    実樹
    第23回『実樹の禁断賞状?』

    第23回『実樹の禁断賞状』



    2025年5月20日。



     



    急にセラピストがいなくなることはよくあることです。



    陰日向に咲く花は枯れやすい。



    あれは"性春の幻"だから…"そういうもの"だから…______



    なんて、そう簡単に割り切れないですよね。



     



    ありがたいことに時に僕の元へ、



    「女風の声」なるものが届くことがあります。



     



    それらは共感を得たり、驚くようなものだったり。



     



    中にはこんな人がいたとかいないとか。



     



    あなたは、愛を貫いた。



    沼の底から、夜の東京へと這い出て、



    今日もひとり、ヴァンパイヤと闘っている。



     



    そのすべての始まりは、



    たったひとつの"ピロートーク"での彼の囁きだった。



     



    ーーー



     



    表彰状「突然いなくなってしまった好きピ君が最後の日にポツリと呟いた言葉…「僕、ヴァンパイヤなんだ」その言葉を信じ、ヴァンパイヤハンターとなり、連日連夜、東京に潜むヴァンパイヤと闘っている人へ」



     



    突然だった。



    「突然ですが…」から始まる退店報告。



    予約も、スケジュールも、すべての更新が止まり、



    彼は姿を消した。



    あの日を境に、実体ごと、闇に溶けた。



     



    聞いていた本業の職場、聞いていた住所、聞いていた地元…



    全てを漁ったが、彼は出てこない。



     



    彼が住んでいたという最寄駅に引っ越して、3ヶ月…



    その姿は見当たらない。



     



    絶望。



    回遊。



    好きピ君よりもランクが上のマスターズランクのセラピストを指名。



    挙動がおかしいクソ坊主だった。



    ハズレ。



    回遊。



    初めてのお店でポエム風の日記が人気のトップランカー。



    駅で待ち合わせしたら、日傘で相合傘してこようとして、その手を払いのけた。



    街を見渡せよ!いないだろ日傘で相合傘してるカップルはよぉ!



    ハズレ。



    絶望。



     



    好きピ君に会いたい…。



     



    最後に会ったとき、



    彼がふと、ベッドの端で言った言葉を思い出した。



     



    「僕、ヴァンパイヤなんだ」



     



    ……は?



     



    その時は「ヴァンパイヤなんだぁ♡じゃあ私の血を吸って〜♡口から吸って〜チュッチュチュー♡」とイチャイチャの糸口にしたけど…。



    彼は微笑んだだけ。



     



    正直、意味がわからなかった。



    でも、その声が少し寂しげで、



    その目がどこか遠くを見ていて…。



     



    あの言葉を、あなたは信じた。



     



    それからの日々。



    あなたはネットを漁り、古書を読み、十字架を握りしめて、



    ヴァンパイヤハンターとしての訓練を始めた。



     



    銀の杭をAmazonでポチり、



    ニンニクを首に下げ、



    代々木の森でひとり夜を明かし、



    六本木のビル風に身を晒し、



    高円寺の満月を見上げながら泣いた。



     



    いつしか、人々はあなたをこう呼ぶようになる。



     



    「東京の夜を彷徨う、女風エクソシスト」



     



    友人らは、あなたの異様な執着ぶりに恐れ慄いた。



    親友のナオコに"塩"をぶつけられた。



    逆剥けしている指に痛みが生じた。



    でもあなたは、怯まなかった。



     



    なぜなら、信じているからだ。



    彼が生きていることを。



    そしてきっと、夜のどこかで血を吸っていることを。



     



    あなたの執念は狂気となり、



    完全に悪魔城ドラキュラの主人公"現代のベルモンド”となった。



    ベルモンドのように、うっすらヒゲも生えた。



     



    ある日、あなたは幼いヴァンパイヤと対峙した。



    「ごめんなさい!もう人間の血は吸いません…赦してください!」



    その言葉を信じ、あなたはそっと杭を引っ込めた。



    あなたが背を向けたその瞬間、ヴァンパイヤはあなたの首元にかじりつき「人間の生き血うまうま」とTikTokライブ配信を始めた。



    こんな時にまで配信してしまうのか…あなたは胸を痛めながら、配信系ヴァンパイヤの両目を潰し、心臓に杭を打ち込んだ。



    ヴァンパイヤは「アカウントはVANされちゃう!ヴァンパイヤだけに!」と最後まで、どうしようもない言葉を吐き続けていたという。



     



    女風に染まっていたあなたの夜は、血で染まるようになった。



     



    深夜のネット通販が流れるテレビが照らす、好きピの一言。つまりは、お泊まりコース中。



     



    「僕、ヴァンパイヤなんだ」



     



    その時は(そんな言葉で誤魔化させないぞ。私のお泊まりコース中に睡眠なんて赦さないからな)と無視したけど…今となっては、あれだけが大きな彼の手がかり。



     



    あなたのその直向きな愛と血に染まる月夜を、ここに賞します。



     



    2025年5月20日



    東京萬天堂・実樹



     



    ーーー



     



    今日もまた、あなたは



    新宿のビルの影で誰かをにらみつけているのかもしれない。



    その男が、セラピ君かもしれないと思いながら。



     



    でも、もしいつか——



    こっちの心情なんて露知らず、



    他店に転生していた彼を見つけて、



    指名して会って。



     



    彼は笑って、こう言うだろう。



     



    「え、あれ本気にしてたの?w」



     



    「いや、あん時眠くてwだって〇〇ちゃん、全然寝かせてくれないんだもんw」



    「あ!…探してくれてたの、すごい嬉しい。またよろしくね」



    「一応さ、前のお店で呼ばれてた名前使われるとマズいからさ、新しい名前で呼んでくれる?」



    「てか、ヴァンパイヤハンターって結構稼げるの?こっちの店でNo. 1目指したいからさ!貸切とかしてくれたら…嬉しいw昼の仕事とヴァンパイヤハンターとやってたらストレスやばいっしょ?メンケア任せてw」



    「てか、会う前ニンニク食べた?あ!そっか!ハンターだからクビからぶら下げてんのか!wごめんごめんw会う前にペペロンチーノでも食べてきててコイツ常識ねぇなぁ…とか思ってたwマジごめんwww」



     



    気づけばあなたの足元に______



    "血の沼"が広がっていた。



     



    [X]



    @miki_mantendo