第17回『実樹の禁断賞状』
2025年5月13日。
今日も1日が無事に終わりますか?
ご苦労さまでした☺️
ちゃんと恥かいた?
恥部関連の恥なら推奨なんだけど…
こんな"恥"の種類はちょっと悲しいよね…。
君はいつも通り満員の電車に揺られて。
疲れた足で静かに今日を終えようとしていた。
そのとき______
本日、表彰されるのは“真実”を最も知りたくないタイミングで知ってしまった人です。
ーーー
表彰状「会社からの帰り道に洋服にタグがついてることを指摘された人へ」
君の心をまず代弁しよう。
「誰か、会社で言えや」
朝9時にそのタグをつけたまま出社し、
昼の会議もそのまま、
給湯室でお茶を汲んだあの時間も、
午後の報告も全部、
君の服は“新品”のまま
誰も何も言ってこなかったあの沈黙が…
今になってじわじわ…
ボディーブローのように効いてくる…
帰りの電車。
ふと視線を感じて、顔を上げた先にいたのは、
品のある白髪交じりのマダム。
「あなた…お洋服にタグ、ついてるわよ」
って……小声で。上品に。真顔で。
マジかよ。
その瞬間、人生の走馬灯が流れる。
朝の鏡の前。
誰も気づかないふりをした職場の人々の背中。
そして今、吊り革につかまってる自分。
「え、今!?」
「てか、え、みんな知ってたの!?」
「ねぇ、あれ見てたのに何も言ってこなかった!?部長、課長、隣のデスクの白石さん、お昼ご飯一緒に食べたミカプー、お互いたぶんちょっといいなって思ってる後輩の田中くん!田中ぁ!」
叫び出したい心を抑えながら…。
あなたはタグをそっと駅のホームでちぎろうとした。
指に食い込むプラスチック。
充血した皮膚と瞳。
痛い。
諦めた。
でもね、その恥と痛みは、ただのうっかりしたエピソードじゃない。
“あなたが誰にも守れなかった一日”の象徴なんです。
「会社からの帰り道に洋服にタグがついてることを指摘された」あなた。
社会に放置プレイかまされながらも、静かに悲しみを押し殺し、教えてくれたマダムに「ありがとうございます」と感謝を言えた高潔な精神を称え!
ここに賞します!
2025年5月13日
東京萬天堂・実樹
ーーー
大丈夫。
君はひとりじゃない。
この街には、毎日、タグをつけたまま会議に臨んでいる誰かがいる。
むしろタグ合った方がいいよ。
スポンサー背負ってるみたいな感じで捉えてみて。
ただ「コイツ一回着た服を返品しようとしてやがんな」と思われてた可能性もゼロではありません。
明日も着てこ。
堂々とタグを外して。
気が昂ってるとは言え、口で噛みちぎらずに、ちゃんとハサミを使ってね。
[X]
@miki_mantendo
実樹の写メ日記
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第17回『実樹の禁断賞状?』実樹