第13回『実樹の禁断賞状』
2025年5月10日。
気だるい午後。
昼休みの後の教室を思い出します
あれから何年も経ったのに、
たまにふと思い出しては、思わず「うわっ」って声が出る。
でも今日は、そんな過去の自分を笑って讃えてあげようと思う。
ーーー
表彰状「早めにテストを書き終えて余った時間でエッチな妄想をしてしまって勃起がおさまらなくなったあの頃の僕へ」
やたら早く書き終わった小テスト。
時計を見ると、授業は残り18分。
……すること、ない。
そして、ふと
脳内に侵入してくる謎のスイッチ。
なぜ、あの時。
なぜ、あの教室で。
今じゃない。絶対に今じゃない。
そんなのわかってるのに…。
なぜか、始まる。
エッチな妄想タイム。
・修学旅行の夜、もしかしたら女子の部屋で…
・あの先輩の制服の下、Tバッグだったらどうしよう…
・サッカー部とテニス部のあいだの廊下みたいなところ、物陰になってて外から見えないし、屋根ついてるから雨でも濡れないなぁ…下がジャリみたいになってるけど、それだけ体育倉庫の要らなそうなマットとか持って敷いたら、エッチなことできるんじゃね…?
もう止まらない。
脳が勝手に映像流してくる。
しかも毎回クオリティ高め。
そして膨らむ股間。
止まらない汗。
顔を伏せながら必死に腰を引く。
やべー、どうにかしなきゃと、窓の外を眺めて天気予報を外した石原良純さんへの恨みでも募らせようかと顔を横に向けると。
あの子と目が合った。
さらに膨らむ股間。
胸の鼓動が早くなる。
まずい、かなりまずい。
目を瞑る。
いちご100%の西野つかさちゃんと東條綾ちゃんが誘惑する。
ダメだ、ドライアイ覚悟で瞳孔を開き続ける。
まずい。これはまずい。
立てない。
いや、物理的に「立てない」んだよ。
あの子に早く終わったアピールしてカッコつけたいけど…。
答案用紙持って前に行けない。
腰浮かせたら終わる。
誰かにバレたら終わる。
てか、自分で自分に引いてる。
「落ち着け」「見直せ」「数式を思い出せ」
必死に数学の公式唱えてもダメ。
むしろ“√”の記号すらいやらしく見えてくる地獄。
そのままタイムアップ。
みんな答案を前に出してる中、
一人だけタイミングをズラし、
カバンを前に持ち、角度を調整しながら、
震える足で歩いたあの廊下。
あれは、青春の“罰ゲーム”だった。
でも、今なら言える。
それも人生。
それも“男の通過儀礼”。
「早めにテストを書き終えて余った時間でエッチな妄想をしてしまって勃起がおさまらなくなったあの頃の僕」よ。
その**人知れず格闘した“18分間”**に、
全力の敬意を込めて、ここに賞します。
2025年5月10日
東京萬天堂・実樹
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あの時の勃起は、魂が立ってた。
答えは出さなくてもいい。
あの時の自分を、恥ずかしさごと、誇ってあげようと思う。
どんな季節、どんな天気、でも思い出される青春の記憶。
社会に出た人は今を色鮮やかにすることを諦めて、過去のノスタルジーに浸りがち。
でも、僕は青春に勝ちたい。
今、この瞬間にも、あの頃みたいに、無鉄砲に、劇的に生きて。
あの頃よりも、深く"人間"を知って。
この世界が尊くて、気持ちよくて、素晴らしいことを体現して、自分自身と君を納得させたいと思っております✌️
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@miki_mantendo
実樹の写メ日記
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第13回『実樹の禁断賞状?』実樹