第36号「MIKINOKIMI」
2022年の12月3日、交差点の向こう側、信号を待つ人の列、誰のことも知らない、一人一人に人生があって、それぞれが過去に鼻の奥までご飯粒が入り込んだことがあるって思ったら…泣けてくる。
と思ってたら一人知り合いを見つけた、誰のことも知らないほうがよかったのに、感傷に浸らせてくれよ。
ロマンスといろはすがありあまる。
冬の木枯らしは琴線に触れる。
無性に無心でシャカシャカとカイロを振る君を想像する。
ファーストキッチンのポテトのごとくカイロをシャカシャカ。
最近のカイロは振らずとも温まることを知らずにシャカる君は暖のバーテンダー。
こうやって日記で誰かの目を引こうと彷徨う僕はまるでマッチ売りの少女。
君の今を見たいよ。
1本目を燃やす、外国人のルームメイクスタッフが足で蹴って枕の位置をずらすどこかのラブホテル。
2本目を燃やす、透明のケースに入った小さなケーキを嬉しそうにお盆に乗せるおじさん笑う横で女子がこっそりあくびするどこかのバリアン。
3本面を燃やす、モツ鍋をつつく君が噛みきれないモツをティッシュにペッとして丸めてるところ。
嬉しい。火が消える。
〆の雑炊まで見れなくて残念無念。
雑炊のご飯粒が鼻の奥に入り込んだことあるよね?
君と僕は同じだからわかるよ。
君にモテたくて、変な気管に水が入ってしまった涙目の君が見たくて、必死になって、店員さんにチェイサー頼みたい。
どれだけ飲んでも無料のチェイサー、ウォーター、お冷や、名前沢山の水に負けた君はゴホゴホと咳き込みながら「見ないでぇ!私を見ないでぇ!」と僕に向かって叫ぶ。僕はじっと君を見つめて「気管に水が入っても好きだよ」ってキスをする。気管の水を吸い込む。
君は僕の天使。天国へ行く方法を知ってるんだよね?
君は自分の鼻の下にひんやりした感覚を覚える。透明な鼻水がチョロッと出てしまっていることに気づくと「鼻水みないでぇ!私に近づかないでぇ!」と叫ぶ。僕はスッと指で君の鼻の下をなぞって「透明な液体は鼻水じゃないよ」って一言呟いた後に、指ごとぺろっといく。君の頬が緩む。涙。青い鼻水。もうわかるよね?キスしかない。
君は僕の尊師。三笘が残した1.88ミリだけ浮いてくれたら嘘も裏切りも全て信じるよ?
バッチリと服装決まった君の靴下はセーラームーン。そかそか、靴下だけカッコつけるの、忘れちゃったんだね。いいじゃんいいじゃん。キャラクターモノの靴下は平和の象徴。うさぎちゃんかわいいね。僕は気づく「あれ?このうさぎちゃんは煙突のお掃除でもしたのかな?」靴下、歩いてるうちに黒く汚れちゃったんだね。君は叫ぶ「気づかないでぇ!私の靴の中身に気づかないでぇ!」僕は君の靴下を脱がして、靴下の裏を見る。真っ黒。傷つかないように僕はつぶやく「靴下の裏、真っ黒だね」蹴りが飛ぶ。真っ赤なお鼻、むしろ鼻血。僕は笑いものの流血トナカイさ。
君は僕の反乱分子。足元を掬って、僕は君の中に巣食う、愛は地球救う。おしおき与える偉そうな立場の月の裏で会いましょう。
君のほころびは僕のご褒美。
ランウェイ歩くような君も良き。
微熱37.4度、寝るしかしてない君も良き。
ラブレター。
筆記体の日本語。
字が汚いだけ。
すぐにポップ体を使いたがる男は浮気するしつまらないから今すぐ逃げて。
明朝体を使う男は理屈っぽくてあなたのスマホにGPS機能をつけて監視してる。
良い男はゴシック体。ゴシックを信じて。
店内で調理した食べ物を置いてくれてるコンビニには頭が上がらない。
いなり寿司やちらし寿司が上手そうなお姉さまか揚げてくれたからあげクンをありがたく頂く。
コンビニのイートインコーナー。
OLさんがおじさんの店員さんに酔っ払って人生相談してる。
まるで行きつけのバーだよ。
ろくでもない妄想、なんてことない発見、くだらない話にも付き合ってほしい。
そのかわり君には僕がいいことするからさ。
させて〜?
コートたち❄️✨
きっと君の日曜日はよくできました✨
あーほんとに人肌が旬の季節だぁねぇ…
実樹
@miki_mantendo
実樹の写メ日記
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第36号「MIKINOKIMI?」実樹