何気なく届いたメッセージ<br />
シンプルで、丁寧で、少しだけ遠くて<br />
その向こうにある気持ちは<br />
まだ読み切れないまま<br />
夜のページをめくっていく
大雨の夜<br />
僕は濡れた街を越えて<br />
電車の揺れに身をまかせながら<br />
静かな場所へと向かった
アスファルトに滲んだ光<br />
閉じた傘のしずくが、<br />
心の奥に波紋を描く
人懐っこい小鳥の声と<br />
誰にも届かないような、小さなため息<br />
整えられた空間のどこかに<br />
言葉にできない感情が、そっと息を潜めていた
彼女の涙から始まった<br />
でも、そこには<br />
明るい緑が生い茂るような未来の気配が<br />
たしかに、あった
話して、笑って、<br />
時々沈黙の中でふたりの呼吸が重なって<br />
僕の心に灯った言葉は<br />
「見つけてくれて、ありがとう」
誠実で、優しくて、あたたかい彼女の言葉たち<br />
その輪郭が、<br />
僕の曖昧だった境界線を、なぞっていく
窓の外には<br />
雨上がりの空と、まだ滲む星たち<br />
君が最後に投げた<br />
見えない魔法が、そっと夜の端を照らしていた
君は夜のスキマに、静かに溶けていった<br />
話し足りなかったことと、<br />
僕の忘れ物を残したまま
でもたしかに<br />
悲しみが優しさを抱きしめて<br />
幸せの星が、静かに降っていた
龍生の写メ日記
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雨上がりの夜空×星空のメッセージ龍生