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龍生の写メ日記

  • 絹と鬼怒と、星のカード
    龍生
    絹と鬼怒と、星のカード

    彼女からのメッセージは、<br />

    いつも夜のスキマから届く。



    眠れない夜、<br />

    見えない力がほしくて<br />

    空を見上げると、<br />

    そこに小さな希望が瞬いていた。



    でも今夜は──<br />

    その星空が黙っていた。



    明け方、<br />

    窓から差し込む光といっしょに、<br />

    遅れてメッセージが届いた。



    彼女は今、<br />

    何かと静かに向き合っていた。<br />

    言葉の端ににじんだものを<br />

    僕は、ちゃんと受け取った。



    痛みを隠さず、でも誰のせいにもせずに<br />

    いつものように、まっすぐだった。



    彼女は、絹のようだった。<br />

    触れたとき、優しさで包み込まれる。<br />

    でもその奥には、<br />

    鬼怒のような力が流れている。



    自分に嘘をつく世界を<br />

    静かに、確実に壊していく力。<br />

    その手に誰も気づかなくても、<br />

    彼女は星のように、闇を照らしていた。



    僕はその覚悟を、<br />

    両腕いっぱいに抱きしめた。



    僕がこの世界に足を踏み入れたのも<br />

    太陽みたいに強い何かを心に抱えていたから。<br />

    それはいつしか川となり、<br />

    海に流れ、<br />

    いつの間にか、誰かと、世界と、繋がっていった。



    馬鹿げてるかもしれない。<br />

    でも、<br />

    「楽しんで生きていく」って決めたんだ。



    誰が何を言おうと、<br />

    この道を、僕は僕の足で進む。



    そういえば──<br />

    夢が叶った日、<br />

    仲間が誰もいない帰り道で<br />

    ふと入ったコインランドリー。



    当たり前を手放した先で、<br />

    ぽっかり空いた心に、<br />

    ひとつの優しさが、そっと入ってきた。



    外国人の青年に親切にしたら<br />

    缶ビールをくれた。



    言葉も交わせないまま、<br />

    それだけの出会いだったのに──<br />

    世界が少しだけやさしくなった気がした。



    絹のように優しく、しなやかに。<br />

    鬼怒のように、<br />

    誰かのためじゃなく、<br />

    &ldquo;自分の真実&rdquo;のために立ち上がる力を持って。



    優しさと強さを、<br />

    両方とも抱えて生きる彼女が、<br />

    今日も星のカードを手にしている。



    夜が深くても、<br />

    星は遠くても、<br />

    灯火はちゃんと残ってる。



    きっと僕たちは、<br />

    進めるだけの何かを、<br />

    もう持っている。