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龍生の写メ日記

  • 古城と個性と、ハンターD
    龍生
    古城と個性と、ハンターD

    会社の命令で、<br />

    その街で一番大きく、<br />

    美しく、光り輝く建物で働くことになった。



    でも扉をくぐった瞬間、わかった。<br />

    そこに差し込んでいたのは、<br />

    太陽の光じゃなかった。



    あれは、他人の&ldquo;個性&rdquo;を吸って<br />

    磨かれた、偽りの輝きだった。



    上層部は<br />

    自分の利益だけを追い求め、<br />

    毎日のように怒号を飛ばしていた。



    「お前は他では通用しない」<br />

    「個性なんかいらない」<br />

    「お前なんか必要ない」



    その言葉に、<br />

    人々の目から光が消えていった。<br />

    まるでバンパイアに生気を吸い取られたように。



    僕もその中で、彷徨っていた。<br />

    辞めたいと思っても、<br />

    「自分には何もない」という呪いが<br />

    頭にこびりついて、抜け出せずにいた。



    光り輝いて見えたその場所は、<br />

    表の顔とは違う、正体を隠した&ldquo;古城&rdquo;だった。



    ある日、どこからか声が聞こえた。



    「人と違う感性は、とても素敵なこと。<br />

    個性を大事にして、<br />

    自分を信じて前に進みなさい」



    その声に呼ばれるように、<br />

    僕の中の何かが目覚めた。



    右手には、<br />

    闇を切り裂く光の剣が現れた。<br />

    左手には、<br />

    邪気を吸い取り、真の姿を暴く人面瘡が浮かび上がった。



    僕は<br />

    個性を否定し、<br />

    怒号で生気を奪う者たちに立ち向かう<br />

    ハンターDとなった。



    古城に足を踏み入れ、<br />

    人面瘡で邪気を吸い、<br />

    やつらの&ldquo;本当の姿&rdquo;をあらわにする。



    右手の剣が<br />

    怒号を、罵声を、恐れを切り裂いていく。



    そのとき&mdash;&mdash;<br />

    古城は、崩れ去った。



    僕は、自由になった。



    それからというもの、<br />

    僕は傷だらけのまま、荒野を駆けている。



    でも、もう怖くはない。



    この手には<br />

    個性に光を与える剣があり、<br />

    誰かの&ldquo;違い&rdquo;を見抜ける目がある。



    そうして今日もまた<br />

    小さな声を頼りに<br />

    誰かのために、<br />

    静かに剣を抜いている。