こんなふうに、満たされたのは久しぶりかも。<br />
そんなふうに呟いたあなたの声が、<br />
どこか遠い記憶を撫でるように響いた。
無理に笑っていた日々。<br />
誰にも甘えられずにいた夜。<br />
本当はずっと、気づいてほしかったんだよね。
触れたのは肌じゃなくて、<br />
甘えたがってた気持ちのほうだった。
頑なだった心が、<br />
ゆっくりと息を吐くようにほどけていく。
吐息のリズムが重なって、<br />
あなたの奥に眠る“素直”が<br />
ふと顔を出す瞬間が、いとしくて。
快感よりも、<br />
安心に似た満たされ方。<br />
それは、触れた僕にも伝わっていた。
“わたしって、まだ誰かに抱かれていいんだ”<br />
そんな許しを感じてくれたのなら、<br />
セラピストとしてじゃなく、<br />
ひとりの男として、嬉しかった。
過去の痛みも、<br />
言葉にならない寂しさも、<br />
その朝にはもう、ただの背景だったね。
最後に見せてくれたあの笑顔を、<br />
僕はきっと、これからも思い出す。<br />
——夜より静かな朝に、あなたの心がほどけたこと。<br />
その記憶が、あなたをやさしく守ってくれますように。
龍生の写メ日記
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夜より静かな朝に、ありがとう龍生